市況概要2019-06-14

14日の東京市場は、84.89円高の2万1116.89円で引けた。
前日に中東ホルムズ海峡付近で日本のタンカーが攻撃されたが、売りは海運など一部の業種にとどまり、売り先行であった日経平均株価も押し目買いや買戻しなどでプラスに転じた。しかし、メジャーSQ値算出日の本日でさえ、売買代金はぎりぎり2兆円台にのるというところで売買の少なさから市場環境の厳しさも窺える。
来週はFOMC、日銀会合が控えているために米国と日本の金融政策の運営方針を見極めようとする雰囲気が強まりそうである。また、今月末に控えるG20に向け米中貿易摩擦問題や、中東情勢の懸念も拭えず、一方で国内の株価押し上げ材料が見当たらないだけに海外要因の影響を受けやすい地合いが引き続き、続くことになりそうである。


出来高:10億6848万株
売買代金:2兆0018億円
13日時点:一目均衡表では、転換線が横ばいの一方、基準線が下落を続け、下落トレンドの継続を示唆。


【注目された銘柄】
鎌倉新書(6184)
同社は前日に第1四半期決算を発表。主要3事業が全て好調で、計画比上振れ推移も確認されたが、業績高成長期待が株価に既に織り込まれており、ピークをつけていたことから本日は短期的な出尽くし感による売りが先行し、大幅反落となった。

【全市場値上がり上位】
1(3490)アズ企画設計+25.96%
2(6193)バーチャレクス・ホールディングス+20.83%
3(1724) シンクレイヤ+20.29%
4(4764)SAMURAI&JPARTNERS+20.00%
5(8789)フィンテック グローバル+20.00%
6(7777)スリー・ディー・マトリックス+19.57%
7(3446)ジェイテックコーポレーション+17.00%
8(7578)ニチリョク+16.71%
9(3180)ビューティガレージ+16.13%
10(4287)ジャストプランニング+15.02%

【注目された材料】
AI関連株としてのHEROZ(4382)は今期3期連続の最高益更新が見込まれることとなり、好決算を受けた同社株の人気化が情報通信株に波及し、チームスピ(4397)やJIGSAW(3914)などマザーズ市場の情報通信株に個人の資金が向いていることが窺えた。

  

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市況概要2019-06-13

13日の東京市場は、97.72円安の2万1032.00円で引けた。
前日の米株市場では主要3指数が下落し、日経平均株価も売り先行で寄り付いた。国内の買い材料が乏しいため、売買代金が6営業日連続で2兆円を割るペースとなっているが、上海、香港の中国株が下落していることや為替も1ドル=108円台前半と円高に振れたことが日経平均を下押した。後場は下げ幅をやや縮小させ2万1000円を挟んでのもみ合いとなった。来週にFOMCが控えており、今月末にはG20も開かれることもあって当面様子見ムードの強い展開が続きそうだ。


出来高:11億7485万株
売買代金:1兆9028億円
12日時点:一目均衡表は、転換線が上昇する一方で基準線は下降、強弱感の対立が窺える。


【注目された銘柄】
HEROZ(4382)
同社が発表した19年4月期決算を発表し、AI機能を搭載したスマホアプリでの安定的収益の他、AIサービスの拡販も収益拡大に貢献したことで好調な数字が伝わった。今期は3期連続の最高益更新が見込まれていることが株価刺激材料となり、年初来高値を更新した。

【全市場値上がり上位】
1(3779)ジェイ・エスコム ホールディングス+38.65%
2(3490)アズ企画設計+24.17%
3(4382)HEROZ+24.16%
4(6190) フェニックスバイオ+18.43%
5(7578)ニチリョク+16.29%
6(3352)バッファロー+15.64%
7(3480)ジェイ・エス・ビー+15.56%
8(6356)日本ギア工業+14.62%
9(8918)ランド+14.29%
10(3528)プロスペクト+12.50%

【注目された材料】
香港で拘束した容疑者を中国本土に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案に反対する香港の市民や学生数万人が立法会の建物を取り囲み、周辺の幹線道路を占拠し、警察との衝突が続いている。12日に予定されていた改正案審議も延期され、本日の香港ハンセン指数の動きを見極めたいという見方も多く、軟調なスタートを確認した海外短期筋による先物売りも観測された。また、人民元にも下落圧力がかかり、ビットコインに中国マネーが流入との見方もある。

  

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市況概要2019-06-12

※本日は都合により前場のみの情報をお送りします。
12日の東京市場前場は、19.08円高の2万1223.36円で引けた。
本日の日経平均は米国株安を受けた小口の利益確定売りが先行し、73円安で始まった。しかし、利益確定以上の売りはみられなかったため、押し目買いに支えられ、日経平均は徐々に値を戻す展開に。ただいまいち、投資意欲を刺激する材料としては不足している状況であり、売買代金も引き続き2兆円割れになりかねない。225先物6月きりやオプション取引も方向感のない、さえない動きであった。


出来高:5億0681万株
売買代金:9022億円
11日時点:5日線と25日線のゴールデンクロスが窺え、短期上昇基調の継続を示唆。


【注目された銘柄】
任天堂(7974)
世界最大のコンピュータゲーム関連の見本市「E3」が開催されている。
同社は、「ニンテンドースイッチ」向けソフトに関するアナウンスの可能性への期待から個人投資家を中心に買いを誘っていた。4月19日以来の4万円大台も目前に見えていたが、「ポケットモンスター」シリーズ最新作の発表にとどまったことで新規材料に欠け株価としても利益確定売りに押されているもよう。

【全市場値上がり上位】
1(2666)オートウェーブ+27.59%
2(3524)日東製網+19.54%
3(3190)ホットマン+17.76%
4(9888)UEX+16.60%
5(7297)カーメイト+16.11%
6(9318)アジア開発キャピタル+14.29%
7(9959)アシードホールディングス+13.65%
8(3223)エスエルディー+12.96%
9(3135)マーケットエンタープライズ+12.77%
10(3686)ディー・エル・イー+11.25%

【注目された材料】
本日は中国の経済指標の発表も注目点の一つであったが、5月のCPIは前年比2.7%と1年3ヶ月ぶりの上昇幅であり、PPIも前年比0.6%上昇となり、いずれも市場の予想通りという結果であった。予想を下振れることがなかったため、短期筋の売りきっかけにもなっていないが、積極的に上値を追う地合いでもないのが現状だ。米中協議の長期化懸念とG20の進展期待がある中で、米半導体株の底堅い値動きなどが下支え要因にもなっている。

  

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市況概要2019-06-11

11日の東京市場は、69.86円高の2万1204.28円で引けた。
夜間の先物取引がやや弱い動きをしたこともあってか日経平均34円安で始まったが、対メキシコの関税発動回避で米株高は継続しており、戻り待ちの売りも徐々にこなしていきプラスに転じた。
一方で109円割れの円高傾向も継続しており、商いがさらに細っていることも加えて積極的に上値を追う動きは限定的と見られる。
日本株の売買代金が盛り上がらない状況だが、全体相場を取り巻く環境が1月と類似しており、「貿易問題」と「金融政策」といったところから個別株の物色動向も1月が参考になるといった見方もあるようだ。また、前日発表があった景気ウォッチャー調査の判断指数から消費者心理の悪化が顕著に表れており、中長期的に国内景気の重荷にもなりやすい。


出来高:10億0237万株
売買代金:1兆6720億円
10日時点:日経平均は25日線を回復し、チャート的に安心感がある。


【注目された銘柄】
窪田製薬(4596)
同社は子会社のアキュセラ・インクが、視力低下する遺伝性疾患の新薬候補が欧州で希少疾病用医薬品に指定されたことが伝わった。治療が困難な病気や患者数が少ない病気に対する治療薬としての期待もあり、前日の終値はストップ高買い気配で引けたが、本日も朝方は買い優勢であったが、買い一巡後は利益確定売りに押されるような展開となった。

【全市場値上がり上位】
1(3779)ジェイ・エスコム ホールディングス+39.37%
2(9758)ジャパンシステム+20.39%
3(4591)リボミック+18.50%
4(3498)霞ヶ関キャピタル+16.79%
5(3260)エスポア+16.70%
6(6233)極東産機+15.87%
7(3352)バッファロー+15.79%
8(7676)グッドスピード+15.18%
9(6699)ダイヤモンドエレクトリックホールディングス+14.00%
10(3083)シーズメン+13.90%

【注目された材料】
連日売買代金が2兆円割れと低迷しており、投資家の投資意欲の減退も見受けられる。これが株価下落の前兆となることも多いようで、今週にはメジャーSQを迎えるが、先物の6月きりから9月切への乗り換えが進行しているようだ。翌限月への乗り換え時期は取引が分散して板が薄くなるために投機的な大口売買によって先物価格が急変しやすくなるが、現時点は意図的な大口注文は見受けられないもよう。

  

なお、この情報を無断で転記することを禁止します。


市況概要2019-06-10

10日の東京市場は、249.71円高の2万1134.42円で引けた。
前週末の米国の雇用統計は不調であったが、世界的な景気減速懸念よりは利下げ期待という見方もあってか、日経平均は210円高で始まった。さらに、トランプ大統領のメキシコへの関税発動も無期限で見送りとなったことも追い風となり、上値は重いながらも節目の2万1000円台は回復。ただ、売買代金は3日連続2兆円割れと投資家はいまだ積極的な買い姿勢には向かっていないようだ。
今週は中国の重要指標や日本メジャーSQなど多くの指標の発表の中身を見ながら2万1000円台を維持できるかが焦点であろう。
投資家の体温を測るポイントとしては米テクノロジー株の動向に注目と、消費税が固まってくれば日米ともに小売りの動向にも注意が必要であろう。


出来高:11億6307万株
売買代金:1兆9516億円
7日時点: 日足の一目均衡表では、遅行線が株価とのかい離幅を縮小。


【注目された銘柄】
東レ(3402)
血液1滴から様々ながんを発見する検査キットが今年中に厚生労働省に承認申請をするということが報じられ、これが材料視された。多大な需要が期待されることから業績への期待も高まり株価としても急伸、年初来高値にあと5円ほどと迫った。

【全市場値上がり上位】
1(3779)ジェイ・エスコムHD+30.93%
2(3849)日本テクノ・ラボ+27.65%
3(4596)窪田製薬ホールディングス+25.16%
4(9425)日本テレホン+19.66%
5(3671)ソフトマックス+18.25%
6(9878)セキド+18.09%
7(3854)アイル+17.80%
8(3417)大木ヘルスケアホールディングス+17.58%
9(6097)日本ビューホテル+17.28%
10(6706)電気興業+17.25%

【注目された材料】
米国とメキシコの通商問題で、メキシコが米国への不法移民流入を防ぐ対策を取ることで合意し、トランプ大統領は10日に予定していたメキシコへの関税発動を無期限で見送ると発表した。
これを受け、日経平均は200円以上の上昇となり、サプライチェーンへの悪影響なども一旦は避けられた形となったが、目に見える成果がなければ、トランプ大統領が再び関税を持ち出す可能性は残っているため、安心はできない状況だ。

  

なお、この情報を無断で転記することを禁止します。