市況概要2019-06-07

7日の東京市場前場は、110.67円高の2万0884.71円で引けた。
米国とメキシコ間の通商問題において追加関税発動が延期されるとの観測による米国株高を背景に日経平均株価もプラスで推移、週前半の売り持ち高解消となった。ただ、中国市場が休場だったことや米国の雇用統計も控えていたことから商いが少なく市場参加者は減少気味であった。 通商問題は、いずれも改善方向が見られたところもあるが、不透明感は拭えず、また、米国の利下げ期待が為替の円高要因にもなっているため、日本株は上値を追いにくい状況、積極的にリスクを取りにくい状況が続く。 225先物6月きりは米株高を背景に続伸となった。


出来高:10億0595万株
売買代金:1兆6359億円
6日時点: 日足の一目均衡表では、基準線と転換線が横ばいを継続。


【注目された銘柄】
インパクト(6067)
同社は出資先のインドのCDCSPLがコンビニエンスストア・プレミアム業態の店舗を8月に15店舗オープンさせるほか、既存店計375店舗をキヨスク業態のコンビニスタイルへ業務転換を完成させる予定でインドでのコンビニエンスストアチェーン拡大の期待感から一時13.2%ほどの上昇もみせた。

【全市場値上がり上位】
1(3417)大木ヘルスケアホールディングス+21.34%
2(5287)イトーヨーギョー+20.22%
3(5704)JMC+20.15%
4(2180)サニーサイドアップ+18.46%
5(6938)双信電機+16.53%
6(8848)レオパレス21+16.49%
7(3195)ジェネレーションパス+16.38%
8(3772)ウェルス・マネジメント+15.86%
9(1675)パラジウム上場投信+14.81%
10(8036)日立ハイテクノロジーズ+14.74%

【注目された材料】
昨日今日と売買代金が2兆円を割っており、市場参加者が少ない中で、6月の目先の重要イベントの注目ポイントは抑えておきたい。
6月18日~19日:FOMC→政策スタンス(ドットチャートなど)
6月28日~29日:大阪G20サミット→米中首脳会談の有無
また、本日の日経平均株価は100円を超す上昇となったが下値リスクは依然として残っており、下値目途はPBR1倍水準の1万9800円前後との見方も。

  

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市況概要2019-06-06

6日の東京市場は、2.06円安の2万0774.04円で引けた。
米株は利下げ期待が相場の支えとなったが、米国とメキシコ間では関税と移民問題で合意できず、日本株は時間外の米国株睨みながらの上値が重い展開が予想された。国内材料では政治の動きがサポート要因にもなっており、政治の動き次第で相場の流れも一変する可能性もあるため、短期筋も大きく下をたたけない状況である。物色の方向性は最小分散系の銘柄から資金がシフトし、主力株の動きが変わってきており、本日は米株大幅続伸を背景に値がさ株が押し上げる一方で、通商問題が上値抑える展開であった。 米金利低下が続く中で、東京市場の銀行株の下げは限定的で、下げるところまで下げたという見方もある。また、225先物6月きりは上値の重さが目立つ動きとなった。


出来高:10億6841万株
売買代金:1兆8427億円
5日時点:日足の一目均衡表では、下降していた基準線と転換線が横ばいとなり、売り圧力の後退を示唆。


【注目された銘柄】
ソフトバンクG(9984)
3%を超える上昇で、続伸しており、売買代金もトップで日経平均の押し上げ役となっている。前日の米株市場で同社の出資先である米ウーバーテクノロジーズ株が初めて公開価格の45ドルを上回って45.66ドルを付け、株式含み益の拡大期待が高まったことで買い材料になっている。

【全市場値上がり上位】
1(7771)日本精密+27.52%
2(9424)日本通信+24.84%
3(2351)ASJ+16.00%
4(5287)イトーヨーギョー+15.58%
5(4591)リボミック+14.47%
6(3842)ネクストジェン+13.82%
7(3623)ビリングシステム+12.24%
8(3496)アズーム+11.94%
9(1491)中外鉱業+10.53%
10(6094)フリークアウト・ホールディングス+10.33%

【注目された材料】
6日付の日経新聞にて、次世代のキャッシュレッサイサービスとして注目されるスマホ決済のランキング調査を実施。使い勝手の良さなどで利用者調査トップに選ばれたのが「楽天Edy」であり、楽天(4755)は前日にはJR東日本(9020)と提携することを発表していることも加わり、個人の買いが集まった。新規参入が相次ぎ、各社はサービスを競い合う中、相場の重しとなっている通商問題とは距離がある話題である為、個人にとっては投資テーマとして今後も注目が続きそうだ。

  

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市況概要2019-06-05

※本日は都合により前場のみの情報でお送りいたします。
5日の東京市場前場は、392.10円高の2万0800.64円で引けた。
前日の米国株高を背景に日経平均は259円高で始まった。4日、FRBのパウエル議長の講演で利下げの可能性が示唆されたことからNYダウは512ドル高となり、これを受けて買戻しを中心に景気敏感株などほぼ全面高の様相となった。また、中国側が米国との対話姿勢を強める声明を出し、メキシコも不法移民問題を巡り米国と合意する見通しを明らかにするなど最近の懸念材料であった通商問題が改善につながりそうなことも投資家心理を上向かせた。
米SOX指数が大幅上昇し、半導体株に関心も向いているようだが、こちらは二極化が続くともみられる。
その一方で為替相場は1ドル=108円近辺で高止まりしていることなどは日経平均の重しとなっている。また、通商問題も具体的な打開策などは明示されていないので日経平均が目先戻りに載っていくかどうかは慎重に判断する必要もあるだろう。


出来高:6億4248万株
売買代金:1兆1184億円
4日時点:ローソク足は陰線で終わったものの、長めの下ヒゲを形成し、下値での買い需要を確認。


【注目された銘柄】
幸和製作所(7807)
介護用品の製造・販売などを行う同社は自社がトップシェアを誇るシルバーカーが、韓国から3万台の大口受注があったことを発表している。海外からの1件当たりの受注としては過去最高で、今後の収益アップを期待した買いが集まっているもよう。

【全市場値上がり上位】
1(5724)アサカ理研 +25.00%
2(7831)ウイルコホールディングス+22.73%
3(6938)双信電機+18.18%
4(3634)ソケッツ+15.37%
5(6699)ダイヤモンドエレクトリックホールディングス+15.05%
6(8918)ランド+14.29%
7(6031)サイジニア+13.62%
8(7314)小田原機器+12.28%
9(2354)YE DIGITAL+11.85%
10(6626)SEMITEC+11.69%

【注目された材料】
本日の日本株は米利下げ期待や通商問題の懸念後退などにより、ほぼ全面高となっているが、世界銀行は4日に2019年の世界経済成長見通しを下方修正している。今年1月時点では2.9%であったが、2.6%と予測している。貿易が約10年前の金融危機以来の低い伸びにとどまっていることや世界的に投資が縮小するとしており、米中貿易摩擦問題や欧州中心の先進国経済の軟化などが背景となっている。

  

なお、この情報を無断で転記することを禁止します。


市況概要2019-06-04

※本日は都合により前場のみの情報でお送りいたします。
4日の東京市場前場は、85.86円安の2万0325.02円で引けた。
日経平均株価は値頃感から買い先行で取引開始したが、その後、為替は一時1ドル107円87銭近辺と約5か月ぶりの円高水準に達し、円高進行を警戒した手じまい売りが出たことでマイナス圏に沈んだ。とは言っても、前日まで4営業日続落していることで押し目買いが入っている銘柄も多い。ただ、国内の材料はほぼ値頃感のみというところで積極的な買いは見込みにくい地合いが続きそうだ。また、中小型株にもやや厳しい状況となっており、マザーズ指数は昨日今年3番目の下げ率で日経平均の2万円接近で一気に利益確定が出た。


出来高:5億9821万株
売買代金:9821億円
3日時点:75日線×25日線:デッドクロス


【注目された銘柄】
ソフトバンクG(9984)
相場の地合いの悪さに流されているのが同社株だ。前日、600円を超える大幅安で大台の1万円割れであったが、本日も3%近く下落をしており、5日続落となっている。日経平均のマイナス寄与度もトップ、1銘柄で30円ほど下げており、先物売りに絡めたインデックス売りになりやすいようで、短期スタンスの投資家による売りが多い。

【全市場値上がり上位】
1(1724)シンクレイヤ+19.02%
2(7671)AmidAホールディングス+18.32%
3(6656)インスペック+17.72%
4(3907)シリコンスタジオ+16.69%
5(9318)アジア開発キャピタル+16.67%
6(4591)リボミック+15.72%
7(6721)ウインテスト+12.50%
8(3694)オプティム+12.10%
9(1449)FUJIジャパン+11.80%
10(6240)ヤマシンフィルタ+9.16%

【注目された材料】
約5か月ぶりの円高水準に達したことで、企業の業績予想にも影響が出る懸念が拭えない。企業の今期想定為替レートは1ドル=108円~109円としており、トヨタ自(7203)は110円、ホンダ(7267)は111円としている。こうした円安想定の企業の想定を上回る円高水準が進行すると日経平均の2万円割れの可能性も浮上する。

  

なお、この情報を無断で転記することを禁止します。


市況概要2019-06-03

3日の東京市場は、190.31円安の2万0410.88円で引けた。
前週末の米株安や円高進行が投資家心理を冷やし、半導体株など輸出関連株を中心に売りが先行。日経平均は2万0300円を底値にマイナス圏で推移する場面もあったが、一部内需系には買いも入り、下支え期待とディフェンシブ系の戻りに期待がかかった。しかし、米国発の貿易摩擦拡大懸念が世界へ波及し、債券高・株安・円高とリスクオフの様相となっており、日経平均も2万円割れに迫っている。225先物6月きりは軟調な推移であった。


出来高:12億2894万株
売買代金:2兆1136億円
3日時点:75日線×25日線:デッドクロス


【注目された銘柄】
コロプラ(3668)
スクエニHD(9684)が本日正午にスマホ向けアプリ「ドラゴンクエストウォーク」を年内に配信することが発表された。コロプラ(3668)との共同開発となるため、朝方から思惑買いも入っていたが、正式発表をしたことでコロプラ(3668)は一時ストップ高、スクエニHD(9684)も5%近い上昇となった。

【全市場値上がり上位】
1(4777)ガーラ+30.89%
2(6838)多摩川ホールディングス+28.42%
3(3098)ココカラファイン+16.63%
4(3093)トレジャー・ファクトリー +14.73%
5(3668)コロプラ+11.69%
6(7057)エヌ・シー・エヌ+11.19%
7(4736)日本ラッド+11.03%
8(4442)バルテス+10.00%
9(6721)ウインテスト+9.80%
10(3694)オプティム+8.37%

【注目された材料】
中国は、国内企業の利益を害すると判断した企業を「信頼できない」企業としてリストを作成し、中国通信機器大手のファーウェイへの米国に対する対抗措置を表明し、米中の対立が深まっている。これにより世界経済の減速懸念が広がり、景気敏感株を中心に売りが強まっている。為替も1ドル=108円台前半と日銀短観の想定以上の円高水準でこのまま円高が進行すると企業の業績予想にも影響が懸念されかねない。

  

なお、この情報を無断で転記することを禁止します。