市況概要2019-05-31

31日の東京市場は、341.34円安の2万601.19円で引けた。
日経平均は約3か月半ぶりの安値を付けて5月最後の取引を終えた。取引開始前のトランプ発言に加え、午前に公表された中国製造業の景気指標が軟調だったことや午後には為替相場が1ドル108円台まで円高に進んだことがリスクオフを加速させた。また、原油や米国債など、他の市場でもリスク回避の動きが目立ったことも株価の上値を重くした。 米中貿易問題の長期化が懸念される中で6月のG20までは大きな進展期待もなくこう着感の強い相場展開が続くことを見込んでいた分、トランプ発言によってハシゴを外された格好となった。リスク回避姿勢の中で、外部環境に振らされ難い材料株の物色中心で短期的な値幅取りの商いが中心になりそうだ。


出来高:14億3886万株
売買代金:2兆3336億円
30日時点:日足の一目均衡表では、日々線は上昇する雲下限との下方かい離幅を拡大。


【注目された銘柄】
トランプ大統領のメキシコへの制裁関税発言に加え、米国と日欧との自動車関税を巡る協議も未だ楽観視できる状態ではないことからトヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)、スズキ(7269)など自動車株の動きが軟調である。

【全市場値上がり上位】
1(1689)天然ガス上場投資信託+33.33%
2(7057)エヌ・シー・エヌ+26.98%
3(6740)ジャパンディスプレイ+20.75%
4(3645)メディカルネット+16.16%
5(4397)チームスピリット+13.89%
6(6628)オンキヨー+11.90%
7(3914)JIG−SAW+11.56%
8(2469)ヒビノ+10.75%
9(3494)マリオン+10.54%
10(8462)フューチャーベンチャーキャピタル+10.36%

【注目された材料】
取引開始前、トランプ米政権は国境の不法移民流入をめぐりメキシコの対策が不十分だとして、6月10日に同国からの輸入品全てに5%の制裁関税を課すという発表が伝わった。これにより、直接影響が見込まれる大手自動車株を中心に売りが膨らんだ。今後の対応次第では最大25%まで引き上げるとしており、関税がかけられれば企業業績にも悪影響が出る可能性があるたま、メキシコに工場を置く企業などにはかなりの重しとなる。

  

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市況概要2019-05-30

30日の東京市場は、60.84円安の2万0942.53円で引けた。
29日のNYダウが続落し、3か月半ぶりの安値をつけたことで日経平均も朝方から売りが広がった。FAや電子部品、半導体の一角で下値固めもみられ、下げ幅は縮小したものの、節目の2万1000円を下回り、好調だった内需株もやや崩れた。
米長期金利低下トレンドは変わらず、一時1年8か月ぶり低水準になったことで5月以降は海外投資家の日本株は売り越し基調であることや、欧州景気と政情不安、中国景気懸念、中国のレアアース輸出規制の可能性やイタリアの財政問題などが重しになる一方で米国のリアクション次第だがG20に向け米中協議の思惑も出ている。
レアアース関連を短期的に注目してみたいが、やはりメインは外部環境に影響されにくい銘柄と中小型株選好のスタンスは継続すると考えられる。だが、現在の相場全体の地合いでは資金の逃げ足が速くなりやすい点にも注意したい。


出来高:11億1333万株
売買代金:1兆9218億円
29日時点:日足の一目均衡表では、転換線が横ばいから下降に変化、遅行線は株価とのマイナスかい離幅を拡大し、三役逆転後の地合い悪化が一段と進んだ格好。


【注目された銘柄】
ライフコーポレーション(8194)
30日付の日経新聞で同社はアマゾンジャパンと提携し、生鮮品・惣菜を実店舗から配送するサービスを始めることが報じられ、同社の売り上げ拡大の期待から買い人気化し、一時15%ほどの株価上昇までのぼった。年内に都内の一部店舗でサービスを始め、対象地域を広げていくとされている。共働き世帯の増加などで宅配需要が拡大する中、ネットと店舗の協業が加速しそうである。

【全市場値上がり上位】
1(6195)ホープ+24.77%
2(5724)アサカ理研+23.67%
3(2586)フルッタフルッタ+19.69%
4(6942)ソフィアホールディングス+17.52%
5(3750)FRACTALE+17.32%
6(4591)リボミック+16.39%
7(3562)No.1+16.30%
8(7064)ハウテレビジョン+14.48%
9(8918)ランド+14.29%
10(3814)アルファクス・フード・システム+13.66%

【注目された材料】
中国側が電気自動車やデジタル家電の部材に欠かせないレアアースの禁輸を米国に対しちらつかせ、けん制を強めている。米産業界にとって大打撃になるほか、米中貿易問題の長期化懸念が広がる。 しかし、日米欧は中国の輸出規制が国内産業を恣意的に優遇する政策だとしてWTOに提訴し、中国側は敗訴している。中国側は米国の制裁関税をWTOルール違反と主張しているが今回ちらつかせている禁輸はその主張を失わせる可能性もある。

  

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市況概要2019-05-29

29日の東京市場は、256.77円安の2万1003.37円で引けた。
祝日明けの米国株市場は、トランプ大統領の「貿易問題で中国と合意する準備はまだない」と言った発言を中心に下落。その流れを引き継ぎ、電子部品や自動車など中国向けの売上高が大きい業種を中心に値下がりし、東京市場も大幅反落となった。ただ、大台割れでは年金や日銀の買い観測もあることに加え、アジア市場の下げもさほど大きくなかったことで、2万1000円の攻防での推移が続いた。 米中貿易問題の長期化懸念はもちろん、トランプ大統領の発言や長期金利低下、円高圧力の強まりなども踏まえて今後相場の不安定化にも十分備えたい。 その中で注目なのが好業績銘柄の内需株の一角が高値を取ってきており、業務用食品スーパーを展開する神戸物産(3038)や回転寿司のスシローGH(3563)などが高値を更新しており、これらが共通してデフレ関連であるとの見方もある。


出来高:13億2229万株
売買代金:2兆1030億円
28日時点:終値ベースでは4日ぶりに5日移動平均線を上回る。


【注目された銘柄】
ライトオン(7445)
同社は28日、業績の下方修正を発表。ゴールデンウィークの販売苦戦などを背景に営業損益1億円の黒字から26億円の赤字や年間配当金の減配が売りを誘い、年初来安値を更新している。

【全市場値上がり上位】
1(6195)ホープ+22.81%
2(5724)アサカ理研+21.58%
3(3266)ファンドクリエーショングループ+21.36%
4(2144)やまねメディカル+19.05%
5(2586)フルッタフルッタ+18.69%
6(8938)LCホールディングス+15.41%
7(6675)サクサホールディングス+12.00%
8(7640)トップカルチャー+10.09%
9(6699)ダイヤモンドエレクトリックホールディングス+9.61%
10(3961)シルバーエッグ・テクノロジー+9.50%

【注目された材料】
新たな材料に欠ける中、来日中のトランプ大統領は「貿易問題で中国と合意する準備はまだない」と、述べたことで28日の米国株市場は下落。対中関税の大幅引き上げも示唆しており、米中貿易問題の長期化懸念が強まり、日経平均も一時400円を近くまで下落幅を広げ、その後下げ幅を縮小させているものの大幅反落となっている。

  

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市況概要2019-05-28

28日の東京市場は、77.56円高の2万1260.14円で引けた。
前日、東京エレク(8035)が自社株買いを4年ぶりに行うということが発表され、朝方から指数の押し上げに寄与し、日経平均はこう着感強いながらもソニー(6758)や日立(4217)など主力株の一角は堅調な展開で推移した。指数こう着の中、一部に上値追いの銘柄があり、医療関連や内需系の好業績企業があげられる一方でハイテク株の一角には調整一巡感も出ており、機械や半導体はまだ弱い。また、東エレク(8035)も後場にかけ、商いが細り午後は狭いレンジ内でのこう着状態で買いの持続性はみられなかった。


出来高:17億1962万株
売買代金:2兆9130億円
27日時点:一目均衡表では、日々線が雲下限をやや上回って推移し、転換線は上向きに転じた。


【注目された銘柄】
東エレク(8035)
同社は前日に4年ぶりの大規模な自社株買いを発表した。上限1400万株とし、1500億円の自社株買いとなる。この発表を受け、朝方から日経平均への寄与の期待もかかり、株価としても後場上げ幅縮小させる展開とはなったが大幅続伸となった。

【全市場値上がり上位】
1(1689)天然ガス上場投資信託+33.33%
2(6195)ホープ+29.56%
3(2164)地域新聞社+19.81%
4(6573)アジャイルメディア・ネットワーク+18.57%
5(3686)ディー・エル・イー+17.18%
6(4728)トーセ+16.71%
7(6699)ダイヤモンドエレクトリックホールディングス+16.27%
8(1692)アルミニウム上場投資信託+14.29%
9(4565)そーせいグループ+13.78%
10(3931)バリューゴルフ+13.75%

【注目された材料】
5月31日から6月4日まで米シカゴにて米国臨床腫瘍学会が開催予定となっている。この学会を受け、タカラバイオ(4974)、オンコリス(4588)などのバイオ関連株が上昇している。また、東証1部の売買代金が前日比3割減少するとマザーズ指数は大幅高という傾向もあり、中でもSOSEI(4565)はマザーズ上昇のけん引役にもなっており、年初来高値を更新している。

  

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市況概要2019-05-27

27日の東京市場は、65.36円高の2万1182.58円で引けた。
前週末の米国株高を背景に景気敏感株の買戻し中心に3日ぶりの反発となったが、日米首脳会談の見極めと米英休場の中、市場は様子見姿勢かつポジション調整の動きが強かったため上値は重かった。日経平均は2万1000円近辺で下値は堅いが、欧州政情の不安や米経済指標の厳しさから為替動向には注視したい。本日は商いも乏しく、全体の方向感を定める材料に欠け、個人主導の売買が交錯した。
日経平均プラス寄与度トップはファストリ(9983)で次いでソフトバンクG(9984)と2銘柄で50円強押し上げた。225先物6月きりは小高い水準でもみ合った。


出来高:9億0164万株
売買代金:1兆4713億円
TOPIX:日足ベースの一目均衡表では、下落基調の転換線が1か月ぶりに上昇に転じたが、他指標は下落または横ばい推移のため反騰が遠い。


【注目された銘柄】
北の達人(2930)
健康美容食品や化粧品を通販する同社は本日ストップ高を付けた。刺すヒアルロン酸化粧品「ヒアロディ―プパッチ」が注文殺到で累計販売数が約1000万枚、また、予約待ち人数も3万人超えと爆発的人気が伝わり、一段の業績成長が期待されたことで買いが集まった。

【全市場値上がり上位】
1(3266)ファンドクリエーショングループ+33.33%
2(6031)サイジニア+29.50%
3(4707)キタック+24.02%
4(7062)フレアス+23.93%
5(6579)ログリー+23.56%
6(4381)ビープラッツ+20.90%
7(4435)カオナビ+19.38%
8(6233)極東産機+19.34%
9(7064)ハウテレビジョン+18.08%
10(7676)グッドスピード+17.59%

【注目された材料】
25日から来日中の米トランプ大統領に対し、日本の安倍首相はゴルフや大相撲観戦などで手厚く歓待。また、本日の午前11時から日米首脳会談は行われており、貿易交渉に関してトランプ大統領は夏の参院選が終わるまで合意締結を待つ考えを表明しているが、市場では会談結果を見極めたいと様子見ムード姿勢が強かった。
米英市場が休場ということも加わり、商いも極端に乏しく、午前11時時点で東証1部の売買代金が6570億円にとどまり、大引け時点で今年最低だった4月22日と並ぶ低水準で推移した。

  

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