市況概要2019-04-12

12日の東京市場は、159.18円高の2万1870.56円で引けた。
ファストリテ(9983)が1銘柄で150円以上押し上げ、後場にかけてソフトバンクG(9984)が上げ幅を拡大、後場は一段高の取引となり、日経平均年初来高値を更新、今日の高値圏で引けた。 但しTOPIXは5日続落となったということ、東証1部の値上がり銘柄数は809、値下がり銘柄数は1219、5日移動平均線も上値を抑えられる格好となっていることも踏まえ、市場全体で見るとムードは良好さは感じられず、小動きであったとみられる。来週からは週初の日米貿易交渉や17日、中国の経済指標がまとめて発表されること、米決算発表の本格化に注視したい。


出来高:11億0178万株
売買代金:2兆2522億円
11日時点:日足の一目均衡表では、転換線が上昇を続けたほか、遅行線は3日ぶりに株価を上回って強気シグナル発生を再開。


【注目された銘柄】
ファーストリテ(9983)・安川電(6506)
ファーストリテ(9983)が6連騰、本日も1銘柄で100円以上日経平均を押し上げた。前日の引け後に発表された19年8月期の連結業績予想は下方修正したが、上期の計画未達分を織り込んだ数字とし、下期見通しは据え置きしたことが好感されたようだ。
一方、安川電(6506)は中国受注に不透明感があり、2020年2月期の連結営業利益は前期比6.6%減の465億円になる見込みと発表。減益見通しは想定内であったものの、直近の上昇ピッチの速さから利益確定売りに押されていた。しかし、自社株買いの発表や米中貿易休戦で今後受注も戻るのではないかという思惑も入ってか一時プラスに転じる場面もあり、市場もそう悲観的な見方ではない様子。 いずれも、両社は中国向けが鍵だったということだ。

【全市場値上がり上位】
1(1689)天然ガス上場投資信託+33.33%
2(4585)UMNファーマ+22.54%
3(3562)No.1+21.04%
4(1448)スペースバリューHD+19.27%
5(6096)レアジョブ+18.66%
6(4397)チームスピリット+18.45%
7(2157)コシダカHD+14.78%
8(9740)CSP+14.05%
9(3498)霞ヶ関キャピタル+11.80%
10(6048)デザインワン・ジャパン+11.78%

【注目された材料】
本日はファストリ(9983)とソフトバンクG(9984)の2銘柄で200円以上日経平均を上に押し上げ、更には年初来高値も更新、本日の相場のけん引役となった。ファストリ(9983)に関しては前述の通りだが、ソフトバンクG(9984)は、米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズが11日にIPOを正式に申請したことで、筆頭株主である同社の含み益に対する思惑が再浮上し、買いが入っている。

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市況概要2019-04-11

11日の東京市場は、23.81円高の2万1711.38円で引けた。
売買代金、昨年の8月以来5日連続の2兆円割れとなるかどうかというところでかろうじて2兆円台に乗せたが、決算控え、様子見ムードがただよった。
前日の米国市場が引けにかけて上昇した展開や弱い動きをしていた半導体株も軒並み自律反発したことは下支え要因であったが、ファストリテ(9983)や安川電(6506)の決算発表を前にしていることや、米株先物もこう着状態だったこともあり、前日終値とほぼ変わりない動きになった。
かんぽ生命や日本郵政が大型売り出しを行うことで需給悪化懸念が相場の重荷となっている見方もある。
225先物は高値安値ともに夜間取引のレンジ内に収まり、動意に乏しかった。明日はオプション4月きりのSQ値算出日となるが、オプションの権利行使価格を巡る攻防もなく、静かな相場が続いた。


出来高:11億1171万株
売買代金:2兆0545億円
10日時点:日足ベースの一目均衡表では、転換線が上向く一方で、遅行線は2日連続で株価を下回り弱気シグナルを発生して強弱感の対立を窺わせる。


【注目された銘柄】
良品計画(7453)・サイゼリヤ(7581)
良品計画(7453)は急反落、前場に年初来安値を更新した。前日の決算発表は、前2月期営業利益が447億円で前期比1.2%減益、会社計画の470億円を下回り減益に転じた。市場予想を下回った結果を素直にマイナス視し、売りが強まったもよう。
一方で、サイゼリヤ(7581)は急騰、年初来高値も更新した。業績下方修正したものの、小幅な下方修正が想定内のものであったことを踏まえて安心感で買われたか。

【全市場値上がり上位】
1(3919)パイプドHD+27.86%
2(1449)FUJIジャパン+22.54%
3(3194)キリン堂ホHD+22.12%
4(6323)ローツェ+21.75%
5(4421)ディ・アイ・システム+18.50%
6(7501)ティムコ+17.67%
7(3498)霞ヶ関キャピタル+17.48%
8(3710)ジョルダン+17.24%
9(2186)ソーバル+17.20%
10(4575)キャンバス+17.16%

【注目された材料】
ECB理事会では現行政策の据え置きであったが、ドラギ総裁は、「ユーロ圏経済は下向きで、インフレが今後数か月で低下する」との見方を示したことで欧州各国の国債利回りが全般に低下。また、米国では消費者物価の伸びの鈍さや低金利の継続を示唆するFOMC議事要旨も債券買いを誘い、米長期金利も低下。世界的な金利低下が重しとなったことで金融株、特に銀行株の下落が目立った。
EU離脱に関しては、臨時首脳会議で、離脱期限を最大10月末までに再延期することに合意。期限前に英議会で離脱案を承認し、英EU双方で批准できれば、その翌月1日に離脱を前倒しする。一旦は、合意なき離脱の後退したことで、東京市場が10連休中の間に海外市場が同問題で荒れるリスクというのは小さくなったというのは好感できるが、為替市場を見ても、ユーロ・円、ユーロ・ドルもあまり動きはなかったようだ。

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市況概要2019-04-10

10日の東京市場は、115.02円安の2万1687.57円で引けた。
IMFの世界経済成長見通しの再下方修正や米中のみならず米欧での貿易摩擦の再懸念が、米主要3指数を下落させ、東京市場もアメリカの下げに引っ張られる流れで200円以上の下落で取引開始した。
ただ、世界景気懸念があるものの、機械株中心に底堅さもすぐにみせている。
本日発表された機械受注は小幅ながらプラスだったが、前日の低い数値を踏まえると、まだ弱いにもかかわらず、機械株中心に堅調なのは、中国景気に対する楽観的見方があるとも受け取れる。
主力株の動きが鈍い分、個人投資家は材料の出た特定銘柄へ短期資金運用の動きが目立ち、今週末以降も米国日本ともに決算発表シーズンが控えていることや、10連休が近づいていることもあり、手控え姿勢は変わりにくいと考える。日経平均はこう着状態が続き、個別株物色中心の相場展開になりやすいだろう。


出来高:11億2275万株
売買代金:1兆9674億円
9日時点:日足の一目均衡表では、転換線に続いて基準線も上向く。


【注目された銘柄】
スルガ銀(8358)+16.25%
本日の日本経済新聞で、経営再建中のスルガ銀行(8358)が家電量販店大手のノジマなど4陣営と支援の交渉に入ったことが9日、分かったと報じられており、これを材料視し、大幅高となっている。ノジマ(7419)が4.98%の同社株を取得したようで、他にもSBIHD(8473)、りそなHD(8308)、新生銀(8303)とも交渉しているようで、投資用不動産向けの不正融資で失った信頼を取り戻すため、再建本格化への期待が高まっているようだ。

【全市場値上がり上位】
1(6033)エクストリーム+24.37%
2(6424)高見沢サイバネティックス+21.79%
3(4575)キャンバス+20.72%
4(1449)FUJIジャパン+20.34%
5(4588)オンコリスバイオ+19.49%
6(6031)サイジニア+17.00%
7(8358)スルガ銀行+16.25%
8(7034)プロレド・パートナーズ+15.82%
9(6838)多摩川HD+15.77%
10(4381)ビープラッツ+15.72%

【注目された材料】
多方面でEUが話題にのぼっておいたので改めて取り上げておきたい。
欧米間の貿易戦争の懸念が再燃している。米国がEUの航空機会社への補助金が不当だとして報復関税のリストを公表したのに対し、EUも対抗措置の準備を始め、米欧間の貿易戦争への懸念が再燃している。
ECBは本日、理事会を開催し、金融政策を決定する。主要政策金利は現行の0.00%、預金金利は、-0.40%にいずれも据え置きとなることが確実視されている。ユーロ圏のインフレ率が短期間で加速する可能性は低いこと、超低金利が銀行にもたらすリスクについて分析を進めていることなどが、政策金利据え置きの主な理由になると見方が多いようだ。また、英国がEUから離脱した後の経済情勢の変化に備える必要があることから、政策金利の引き上げを急ぐ必要性は低下しているとの見方が増えているようだ。
そのEU離脱問題を巡り、本日はEU緊急首脳会合も予定されているが、メイ首相は6月30日までの延期をEUに求めているが、英国は一定の条件付きでの離脱期限延期が認められる見通しにもなっており、本日の会合で最終決定するとみられている。

  

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市況概要2019-04-09

9日の東京市場は、40.94円高の2万1802.59円で引けた。
相変わらず、上値の重さが目立ち、終日方向感ないまま小動きで、商いは引き続き低調であった。日経平均株価が200日平均線の手前で頭打ちというテクニカルな壁もあるのだろう。
高島屋(8233)やニトリ(9843)は、決算発表を迎え、増収増益にも関わらず市場予想を下回ったことも加え、年初来安値更新している。一方で、安川電(6506)は8日続伸しており、11日の決算発表が焦点になるだろう。 今期業績見通しが保守的なら安心感も広がるとみられる。
米半導体SOX指数が連日史上最高値を更新し、追随する形で電機・半導体に買いが集まるが、買い一巡後は上昇一服。
また、10連休前に需給的な動きもみられるだろう。信用売り残高が多い銘柄に注目。信用売り、逆日歩銘柄は連休前に買い戻し入るか、というところで、逆日歩出るくらいなら手仕舞おうという投資家も多いとみられており、短期的な需給に注目してもいいかもしれない。以下は一例。
ZOZO(3092)、青山商(8219)、西日本FH(7189)、山口FG(8418)、群馬銀(8334)
最後に、個人投資家の個別材料物色は旺盛で、紙幣関連やソニー(6758)への買い人気が集まった。


出来高:11億0544万株
売買代金:1兆9426億円
8日時点:ローソク足が陰線を引き、上値での売り圧力の強さを示した。


【注目された銘柄】
ソニー(6758)
同社は9%以上の上昇で、前日比353円高の5158円と反発している。ロイター通信によると、米投資会社サード・ポイントがソニー株を買い増しており、一部事業部門を巡り、選択肢の模索を求める意向としていることが報じられている。同ファンドは過去にソニー株保有の際はエンターテインメント事業の分離を提案し、今回は映画事業の売却等改革案を検討するよう求めているようだ。

【全市場値上がり上位】
1(6031)サイジニア+28.33%
2(6424)高見沢サイバネティックス+27.86%
3(4588)オンコリスバイオ+24.21%
4(2351)ASJ+21.64%
5(6838)多摩川HD+18.73%
6(4575)キャンバス+16.03%
7(7777)スリー・ディー・マトリックス+15.53%
8(7050)フロンティアインターナショナル+13.95%
9(4424)Amazia+13.47%
10(6048)デザインワン・ジャパン+12.78%

【注目された材料】
政府・日銀は2024年度前半に千円(新:北里柴三郎)、5千円(新:津田梅子)、1万円(新:渋沢栄一)の各紙幣を一新させると発表。刷新は2004年以来となり、「平成」から「令和」への改元機運を盛り上げ、また、自動販売機などの関連需要も生まれるもよう。 この報道に伴い、紙幣識別機の大手企業日本金銭機械(6418)や、高見サイ(6424)、ユビテック(6662)、グローリー(6457)、オーイズミ(6428)など紙幣関連株が急騰している。

東京総合研究所ファンドマネージャーの株ブログ19/04/09
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☆レンジの上限を這う展開は、強いか、最終形。

  

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市況概要2019-04-08

8日の東京市場は、45.85円安の2万1761.65円で引けた。
寄り付きを高値に買いが続かず利益確定売りに押されて、4営業日ぶりの反落となった。
先週買われた外需株に一服感が出ており、先週末発表された3月米雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回り、2月の数値から改善する一方で、賃金の伸びが予想を下回るなど強弱まちまちの結果となり、米長期金利はやや低下。
引き続き、米中関係進展はあるのか、EU首脳会合、経済指標の発表など外部環境面で気になるスケジュールも多く、10連休を前に手控え相場、主要企業決算もあるため、今週、来週と上値の重い展開が続きそうである。 国内では、11日に安川電(6506)、ファストリ(9983)の決算発表が控えており、安川電(6506)は、今期決算の見通しが見られるだろうが、株価は本日も含め堅調である。今後出てくる小売決算には、増税の影響に注目であるだろう。
また、後場にかけてサンバイオ(4592)の急伸により、マザーズ指数は上昇。


出来高:10億5743万株
売買代金:1兆8847億円
もち合いレンジ(21000-21800)処からの上放れが意識されているが、テクニカル面では21910円処に位置している200日線に上値を抑えられた格好。


【注目された銘柄】
山パン(2212)、サンドラッグ(9989)
本日、東証1部で年初来安値更新銘柄数が約35銘柄あり、小売りなどの消費関連の下げが目立つ。
山パン(2212)やサンドラッグ(9989)などは先週、投資判断の引き下げもされている。山パン(2212)はみずほ証券が買いから中立、目標株価を3300円から1720円に引き下げた。サンドラッグ(9989)は、SMBC日興証券が業績予想の減額に伴い、投資判断を2から3へ、目標株価を5300円から2900円へ引き下げた。
ドラッグストアの課題として、店舗過剰・食品強化・薬価改定による粗利率の低下圧力及び人件費の上昇を踏まえたうえで、サンドラッグ(9989)は他社と比較した際に、中期成長力が劣るとみられており、これらを背景に株価へ反映されている。

【全市場値上がり上位】
1(7488)ヤガミ+21.95%
2(2351)ASJ+20.93%
3(7992)セーラー万年筆+20.20%
4(3907)シリコンスタジオ+18.34%
5(4588)オンコリスバイオファーマ+17.87%
6(4592)サンバイオ+17.69%
7(6031)サイジニア+16.50%
8(7060)ギークス+16.34%
9(6894)パルステック工業+15.69%
10(3680)ホットリンク+14.74%

【注目された材料】
現状、今週の12日はEU離脱期限となっている。メイ首相はEUに対して、6月末まで離脱期限の延長を要請している。EU側としては英議会が12日までに離脱協定案を可決できれば、5月22日までの延期をするべきであると考えており、万が一、合意なき離脱を迎えれば、週明けに東京市場が1番初めに大津波を受けかねないので、FXのようなレバレッジ取引をするものにとっては、今週は現金を積んでレバレッジを下げた方が良いという見方もある。そのため、12日の離脱協定案の行方を見極めたいところだろう。

東京総合研究所ファンドマネージャーの株ブログ19/04/08
ご確認ください。
☆世界経済の行方。もっと大きなレンジで見てみると。

  

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