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ボリンジャーバンド

1.±2σを超えるのは確率5%の世界

1980年代前半にジョン・ボリンジャーが考案したボリンジャーバンドは、 多数のデータを参照した場合、値動きのばらつきは正規分布すると仮定して、 標準偏差を利用したバンド(帯)を描くことによって、 値動きの幅や方向性を分析するツールです。

下のようなグラフを見たことがあるかと思います。
たとえば学力検査の偏差値なども、試験の得点分布がこうした正規分布の 形状になると仮定して利用されています。


0を中心に左右の「-1」から「(+)1」までの間には68.26%のデータが、 「-2」から「(+)2」までの間には95.4%のデータが収まります。
1とか2というのは標準偏差のことで、単位はσ(シグマ)と呼びます。

学力でいうと「(+)1」が偏差値60、「(+)2」が偏差値70です。
偏差値70以上と30以下の人の合計は、全体の5%にも満たないのです。
この考え方を相場の値動きに当てはめて描画すると、次のようになります。


ドル円の週足チャートに21週移動平均線とボリンジャーバンドを描画したチャートです。

中心となる移動平均線(白)の外側に±1σライン(黄)、±2σライン(青) が描画されています。見ただけで値動きの特徴が感じられますが、 トレンド分析の方法についてはあらためて解説するとして、まずは確率5%の 世界についてお伝えしておきます。

外側の青い線は、上にあるのが+2σライン、下にあるのが-2σラインです。
つまり、この青い線の内側に値が存在する確率はおよそ95%であり、 逆に、青い線の外側に値が存在する確率はおよそ5%しかない、ということになります。

チャートを見ると、2008年10月は青い線を突き抜けるほどドルが下落して いました。ところが11月に入って間もなく、青い線の内側に収まるように 値が戻っています。
この青い線の外側は-2σ未満の世界、つまり、 存在確率5%にも満たない稀有な値下がりであることを示唆しています。

ボリンジャーバンドの1つの見方として、±2σの領域を超えた値動きが あった場合に、その後±2σの範囲内に値が戻ると考えて、 売買のシグナルとみなす方法があります。

2.ボリンジャーバンドの±2σ突破によるサイン

ボリンジャーバンドによる売買サインの読み取り方で、もっともシンプルで簡単なものは、 値動きが+2σ、-1σのラインを超えたポイントで売買するというものです。
下のチャートの赤丸部分をご覧ください。


※三井不動産株価推移 (チャート提供:GCハロートレンドマスター)

相場の上下両端にある赤い線が、+2σ(上)、-2σのラインです。
バンドの中に収まろうとするかのように、飛び出した相場はことごとく逆方向へ動き始めます。
また、それらがどこまで反発しているかを注意深く見てみてください。

1σ分だけ戻っているもの、中央の移動平均線まで戻っているもの、 反対側の2σラインまで急激に大きく動くもの、 このように、ボリンジャーバンドで描かれる±1σ、±2σが、 値動きの幅を予想する、サポートやレジスタンスを意識するツールとしても 有効であることが分かります。

しかし、大きな相場を迎えようとする場面では、±2σのラインを少し飛び出すくらいの勢いが 継続して出現することが多く、レンジの外に出てしまったことが、すぐさまトレンド転換を示す 明確なサインとなるわけではありません。

ボリンジャーバンドも移動平均線による分析の延長にあることを考えると、 あまり細かな波動を分析すうrには適さないツールであることに留意する必要があります。

3.ボリンジャバンドで相場の大きな流れを捉える

ボリンジャーバンドを描画させて相場を眺めると、大きな上昇・下降トレンドのときに、 相場がどのような特徴をもって動いているのかがよくわかります。
下のチャートは、日経平均が10000円台から17000円台まで急上昇する様をとらえています。

中央の赤いライン、移動平均線を割れることなく天井まで上り詰めています。


※大きな上昇トレンドを描く日経平均株価 (チャート提供:GCハロー)

ボリンジャーバンドの+2σラインを超える水準というのは、 統計学的には発生確率5%程度しかないことになっていますが、実際にはそこまでの統計をとった 指標にはなっていません。(参照数値が少なすぎるため、データが正規分布していません)
わずか数日間、数週間のデータから計算していますので、ある程度の目安という以上の 信憑性は備えていません。表示はされていませんが、5σまで上昇した、-4σまで下落した、 などということも起こりえるわけです。

さて、強いトレンドが発生したときの特徴ですが、上図チャートのように+1σと+2σの間を 縫うように上昇していることが見てとれます。ほどよく過熱した相場が保たれていることが ボリンジャーバンドの様子からもわかるというものです。時折、押し目を迎えますが、 +1σまでか、あるいは移動平均線近くまででストップし、あらためて上昇しています。

ところが、+2σを超えたところを頂点に、その後は移動平均線を割れて 下降トレンドに転換してしまいました。

・移動平均線を越えてトレンド転換
・±2σラインに沿って上昇下降
・±2σを超えて行き過ぎると逆方向へ

この3つの動きを繰り返すのが、 ボリンジャーバンドでみた典型的な相場のパターンであるといえます。
ただ、前述したように±2σを超えたからといって、必ずしも途転すべきとは限らない点は 注意が必要です。他のシグナルと組み合わせるなどして、自ずから信頼性を高めることも 必要であることを付け加えておきます。

▼とはいえ、たいへん珍しい-9σまで下落した英シェブロンの例


※シェブロンのチャート (提供:GCハロー)

4.ボリンジャーバンドの特徴的な動き

最後に、ボリンジャーバンドで見た場合の、特徴的な相場の動きについて いくつかのパターンを取り上げておきます。
次のチャートは長い下落局面での動きです。
値のほとんどが、-1σ~-2σの間に収まるようにして下落し続けています。


※オーイズミの長い下降トレンド(チャート提供:GCハロートレンドマスター)

次のチャートは、相場のトップおよびボトムにおいて、ローソク足にそれぞれ 上髭、下鬚が出現しているパターンです。ボリンジャー氏は、ボリンジャーバンドの分析に ローソク足そのものの分析を重ね合わせて考えることで、より信頼度が高まると指摘しています。


※日油の上髭と下髭が転換シグナルと重なった例(チャート提供:GCハロートレンドマスター)

次はレンジ相場におけるボリンジャーバンドの特徴です。
-2σと+2σの間を行ったり来たりするように相場が推移しています。
それぞれのラインが、下値支持線、上値抵抗線として機能しています。


※ユニチャームのレンジ相場(チャート提供:GCハロートレンドマスター)

次は強い上昇トレンドが現れた際に、+2σ突破だけでは売り転換のサインとはならないことを
端的に示したチャートです。レンジ相場の場合は、+2σラインが上値抵抗線として
機能していましたが、上昇トレンドや下降トレンドなど、ひとたび大きなトレンドを形成するや否や、
+2σラインは単に程よい過熱ゾーン” を示すかのように存在しています。
ボリンジャーバンドは、レンジ相場では逆張り指標として、 トレンドを描く局面では順張り指標として活用できます。


※コープケミカルの+2σ突破連続な相場(チャート提供:GCハロートレンドマスター)

次いで、大相場が崩れるときの様子です。
逃げ場がどこにあるのかを見る際にも、ボリンジャーバンドは活用できます。
+1σラインを割り込む、中心線である移動平均線を割り込むなど、 トレンドの終焉を知らせるラインが存在します。


※ソフトバンクの大相場(チャート提供:GCハロートレンドマスター)

最後はバンド・ブレイクアウトの典型的な例です。
相場にあまり変化がなく、おとなしい値動きが続くと、ボリンジャーバンドの幅も狭まってきます。
そうして一段と狭まってきたところで、一気に相場が上下いずれかに爆発するようなことがあります。
いわゆる「保ち合い放れ」ですが、相場のエネルギーが溜まっているところへ、わずかな動きでも ±2σラインを突破して、トレンドを形成し始めることが多いようです。


※京阪電鉄の上放れ相場(チャート提供:GCハロートレンドマスター)

以上、ご覧いただいたように、ボリンジャーバンドは相場のパターンが見出しやすい チャート分析手法ですので、トレンドの発生、継続、転換を計るツールとして人気があります。

実践編-ボリンジャーバンドの収縮

現時点でのドル円時間足チャートです。
ボリンジャーバンドは24時間で描画しています。
赤丸をご覧いただくと明確ですが、ボリンジャーバンドが収縮してきています。バンドの拡大はトレンドの発生を、バンドの収縮はトレンドの終焉および転換を示すことが多いようです。バンドの収縮により、底打ち反転を予想。
とはいえ移動平均線がまだ下向きで、いったんは平均線を壁に値がはね返されて押し目を作りつつ、やがて上昇に転じるというシナリオが浮かんできます。

93.9円や93.6円あたりに-1、-2σラインが存在するので、そのあたりでの反発には警戒しておきたいところです。
直近安値を割り込むようであれば、反転シナリオはいったん反故にします。

 実践編-「-2σ」到達からのシナリオ

以下はドル円の時間足チャートですが、ボリンジャーバンドの-2σラインを超えてやや戻してきたところです。
シナリオとしては2つ考えられます。
上がるか、下がるか、です。なんとも頼りない、当たり前のシナリオなのですが、致し方ありません。
-2σに沿って下落するという下降トレンド発生の起点となるか、それとも行き過ぎた値が修正されて反発することになるのか、どちらかのパターンが多いです。無理せずに、もう1~2本、どのような足で推移するのかを見てから判断しても遅くはありません。

実践編-「+2σ」ゾーンでの高値更新

ユーロ円の時間足チャートにボリンジャーバンドの±1σ、±2σを描画しています。
移動平均線は24時間です。+1σ~+2σの間に位置して、なおかつ、直近高値(黄線)を抜いて推移しています。
移動平均線(緑線)も上向きですから、判断としてはこのまま上昇トレンド継続となります。
ただし、+1σラインを割り込んだところでは警戒が必要です。それまでは買いのポジショニングで構いません。

実践編-「-1σ」と「-2σ」の間に位置しはじめたら

下はニュージーランドドル/円の時間足チャートです。
ボリンジャーバンドは24時間移動平均線に±1σ、±2σを描画しています。
下落トレンド入りがはっきりしてきたかのような状態です。-2σを割れることなく、緩やかに下値を切り崩していくようなゆっくりとした相場が続けば、思いのほか長続きする下落相場になるかもしれません。
急激に下がって、-2σを割りこむようであれば、そこからの反発には警戒が必要となります。
24時間移動平均線が完全に下向きのトレンドとなるまでは、気を緩めずに見守ることが必要です。

 実践編-ボリンジャーバンドの縮小停滞

下はユーロン相場の週足チャートです。
相場自体の方向性が今ひとつ定まらないまま、レンジがどんどん狭くなってきている状況です。
ボリンジャーバンドも当然、その幅を狭めて相場の方向が出始めるのを待っているかのようです。
数週間後にやがて上下どちらかに動くにふさわしいニュースが出て、急激にバンド幅が広がっていくことになると思われます。
そうなれば大きなトレードになりますので、ユーロ円でのデイトレも、より一層エキサイティングなものになっていくことでしょう。
それまであともう少しの辛抱です。
ちなみにどうしてもここで判断しなければならないとしたら、移動平均線が上向いていることから、上放れを予想します。

実践編-値動きに注意すべきパターン

豪ドル円相場の1時間足チャートです。24時間移動平均線と±1σ、±2σのボリンジャーバンドを描画しています。
緩やかながらもしっかりとした下落トレンドにあります。
しかし、直近の値動きだけを取り出してみると、ほぼ横ばい相場となっています。
移動平均線の向きやバンドと値の位置関係からすると下落基調が崩れているとは言えないのですが、反転する手前の独特な動きの1つのパターンであるともいえます。
上下どちらに動いてもおかしくない、ということを前提に、ただちにロスカットできるポイントで相場に入っていく必要があります。

実践編-「+1σ」~「+2σ」ラインの間に位置する相場

下は豪ドル円の時間足チャートですが、理想的な上昇波動を描いています。

・反転上昇して+2σに到達
・いったん下落して押し目を形成
・再び高値を更新して
・+1σラインよりも上に位置して推移中

上昇トレンド入りへの重要なポイントをクリアしたこの相場が、このまま上昇していく確率はかなり高いと踏んで、トレード参戦することができます。
とはいえ、+1σライン近辺、移動平均線近辺など、なるべく安いところで仕掛けることも必要です。
なお、+1σラインを割るようなことがあれば、あるいは移動平均線を割るようなことがあれば、もちろん損切りとなります。

実践編-下降トレンドの中での売り参戦ポイント

ユーロ円相場の時間足チャートです。24時間移動平均線も、ボリンジャーバンドも、完全に下を向いていますので、明らかな下降トレンドです。
前回安値がサポートラインとして機能しますので、まずはそこまで辿りついて割り込むのか、反発するのかが、この下降トレンドが長引くかどうかの分岐点となります。

 実践編-サポートラインを意識する

下はドル円の1時間足です。
24時間移動平均線が下を向き始め、-2σラインに沿って下落を開始したという典型的な加工トレンド入りパターンです。
ただ、前回安値をサポートラインと考えると、下値のメドはかなり近いポイントにありますので、そこではね返されないかどうかを注意深く見ておく必要がありそうです。打診売りから入って、サポートラインブレイクでポジションを増やしていくような方法も考えられる局面です。

 実践編-前回安値のブレイク

下はドル円の時間足チャートです。-1σと-2σによるバンドの間を縫うように下落しています。
黄線で示すように、前回安値にいったん跳ね返される場面がありながらも、移動平均線近辺であらためて下落に転じて(黄丸印)、サポートラインたる前回安値をブレイクし、下落が勢いづいています。
まだ-1σ~-2σのバンド内に収まりながら推移していますので、さらなる下落の可能性も残っている場面です。-1σを上回るようでしたら、反転上昇を警戒し始める必要があります。

 実践編-上昇トレンドを捉えるポイント

下はドル円の時間足チャートです。24時間移動平均線とボリンジャーバンドを描画しています。赤丸部分がそれぞれ上昇トレンドを捉える際に、入り口となりやすい個所です。
+1σ超え、移動平均線超え、+2σ到達からの押し目での+1σ近辺、そして今後も、+1σ近辺や移動平均線近辺にまで値を下げたときの追加買いが考えられます。ボリンジャーバンドを見てのトレンドへの乗り方としては、典型的なパターンといえます。

 実践編-上昇トレンド継続のパターン

ドル円の時間足を描画しています。少し前のところで米雇用統計発表の瞬間に大きな上下のブレがありましたが、結局は元の木阿弥となって、上昇トレンド相場が継続しています。
基本的に+1σ~+2σの間を縫うように上昇を続けていて、ボリンジャーバンドの向きや開き加減にも安定感があります。
今のところ崩れる兆候が見当たらないので、かえって仕掛けにくい状況です。92円あたりで仕込んでいた場合は、安心して上昇トレンドを眺めていられる場面です。前回高値に近付いていますので、そのラインをブレイクしようとする手前で変化が現れるかどうかには注意が必要かもしれません。

実践編-時間軸の異なるチャートで判断を助ける

下はドル円の時間足チャートですが、移動平均線を挟んでのボリンジャーバンドがほぼ横ばいとなっています。
長らく続いた上昇トレンドが崩れたものの、-2σラインから切り返してちょうど移動平均線まで到達しています。
移動平均線近辺に値があって、しかも移動平均線が横ばいであるということは、高くもなく、安くもないということですから、ここではほとんど何も判断できません。

そこで日足チャートを参考にします。すると、およそ5ヵ月間続いている下落トレンドの最中であることがわかります。
細かく見ると、日足ベースでは、-1σ~-2σラインの間の上部、-1σライン近辺に位置していて、下落トレンドが続くのであれば、売り仕掛けには都合のいい高値であると見ることもできます。
移動平均線あたりまでの反発や、ここで下落トレンドが終わるリスクを考慮した上でのポジションメイクをしておこうか、と考えることができます。

実践編-上昇トレンド中の迷い

下はユーロ円の時間足チャートですが、きれいな上昇トレンド入りを示しています。
前回高値をわずかに抜いたところで上髭がでていますので、少し跳ね返された感はありますが、+1σラインを割れない限りは安心して上昇を期待できるチャートです。
しかし、高値を取ってすぐ上髭が出る状態はあまりよい形ではありませんので、この後のローソク足の形状には注意が必要です。 トレンドを信じるのであれば、いかに安く仕込めるかに注力し、トレンドが崩れることを狙うのであれば、いかに高いところで仕掛けられるかに注力することになります。+1σ~+2σのちょうど間の、中途半端なところで動かないことが大切です。

実践編-「±2σ」突破のあと

下はドル円の日足チャートにボリンジャーバンドを乗せたものです。大きなトレンドやレンジがきれいに浮かびあがっています。
要所要所で±2σラインを突破あるいは到達し、そこから反騰・反落を繰り返してレンジを形成しています。
±2σを行き過ぎた値であるとして逆張り指標とすることが、ボリンジャーバンドのメジャーな利用法として親しまれている理由がとてもよくわかるチャートです。

実践編-レンジでの動き

ドル円の時間足ボリンジャーバンドです。緩やかに上昇してはいますが、基本的にはレンジ内での小動きといった様子です。
+2σと-2σ、それぞれからの反転場面で売り買いを行うことになります。
±1σ内に収まっているうちは静観するしかない相場です。
レンジの高値安値を拾うトレードだとしても、この場合、値幅は1円近くありますから、十分なトレードとなるでしょう。

実践編-上昇トレンド入りの予兆

ドル円の時間足チャートにボリンジャーバンドを描画しています。
少し手前で-1σに到達して反発、さらに移動平均線まで下げてから反発という、粗い押し目をつけた相場となっていますが、現段階では+1σを突破して上昇トレンドゾーンに入り込んでいて、上昇トレンド入りの典型的なパターンは踏襲しています。
+2σを大幅に突破することもなく、緩やかに上昇ゾーンを推移するようであれば、息の長いトレンドを形成する可能性があります。
それを確認するためにも、上昇トレンドゾーンでのもう2~3本の足の出現が待たれます。

実践編-底割れを試す展開

ドル円の週足ボリンジャーバンドです。下落トレンドが明確に現れていますが、前回安値の87円を意識しながらの展開となっています。
まだ反転上昇の気配を見せていませんので、このまま底割れを起こすかどうか見ものです。-2σを大きく割り込まない限り、緩やかに下落が続くことを予感させるチャートです。時折、週足のような長い期間のチャートを眺めることで、長期的なスタンスはまだ円高であることを再確認できます。

実践編-目先の上昇を想定した売り

ユーロ円の日足ボリンジャーバンドです。
-2σを大きく割り込んでからの反発で、ちょうど-2σの内側に戻る格好となりました。
ここからの基本的なシナリオは3つあります。 1.上昇に転じて+2σまで上昇 2.多少反発するも-1σラインあるいは移動平均線ではね返されて再び下落 3.このまま-1σと-2σの間を縫うようにして下落 この時点でズルズルと下落が続くと確信するには至りませんので、全力で売り仕掛けることはありません。
下落を期待しているにしても、目先は上昇していくことを想定しながら、ポジショニングをしていくとよいかもしれません。

実践編-下落トレンド終焉の予兆

ドル円の日足チャートです。
ボリンジャーバンドでは、きれいに下落トレンドを捉えています。
+2σ突破で売り、その後、何度かの戻りを演じながらほぼストレートに下落しています。
直近では-2σ割れを起こすと同時に急反発して-2σの内側に入り込む、長い下髭を作っていますから、目先の下落期待がやや後退していると読めます。
移動平均線までの戻りを1度経験していますので、徐々に相場が落ち着いていったん底値を固めようとする動きが出るかもしれません。

実践編-月足での相場の大勢確認

月足でみた英ポンド円相場推移です。これほど急劇なポンド安(対円だけでなく、対ドルでも急落しています)であったことに、今さらながら驚くほどです。月足で見てもほぼセオリー通りにボリンジャーバンドが機能しています。
現在の戻りが、単に戻りで終わってしまうのか、それとも反転への道筋なのかは、年内の動き次第で来年を占えるくらいの、気長なチャートです。
いつ、どこに、どんなチャンスがやってきそうなのか、事前に心の準備をしておくために、長い足でのチャートを参考にしておくとよいかもしれません。

実践編-反転の見込み

ドル円の日足チャートですが、何も考える必要がないほど一直線な下落トレンドにあります。
近視眼的には経済指標や一瞬の介入に一喜一憂することもありますが、日足で流れを見ている限り、そうした小さなノイズは、あくまでノイズにしか過ぎません。

-2σと-1σの間、行っても移動平均線までというレンジを守りながらの下落の転換点はどのように現れるのでしょうか。
少し手前で-2σを大きく割り込んだところがありましたが、そこからは発する様子もなく、平穏に下落トレンドの中へと収斂していきました。
下げすぎることで、売り方の利益確定を誘うことができれば、そこで市場の思惑が多少は変化してくるのですが、買いを狙うのであれば、今はそのときを待つしかありません。それもこれも、ボリンジャーバンドが教えてくれます。

実践編-上方ブレイク

ドル円の時間足です。24時間移動平均線とボリンジャーバンドを描画しています。
揉み合い後に情報ブレイクしています。日本の機械受注が市場予想よりも低い伸びだったことを受けての円売りのようですが、その動きは、発表直前から出ていました。 これによって、この日の円相場の流れが出来上がる可能性があり、さすがに+2σを大きく突破した状態が続くとは思えませんが、いくらかの期間、上昇トレンドが続くことを予見させます。

実践編-移動平均線を抜けられない相場

ドル円の日足ボリンジャーバンドです。
直近では上昇~横ばいを演じていますが、まだ下落トレンドの中にあります。
とはいえ、この直近4本の動きによって、ボリンジャーバンドも移動平均線も、 かなり横ばい相場らしく、あるいは反転準備を整えつつありますので、 ここから移動平均線超えを達成できれば、本格的な上昇も見込めることになります。
反面、抜けられずに-1σの中に入り込んでくるようなことがあれば、 それはまた下落トレンドが継続するということにつながります。
ここ数日間の動きには注意が必要です。

 実践編-トレンドか、ブレか。

ユーロ円の日足チャートです。21日移動平均線とボリンジャーバンドをあてています。
ここのところユーロの動きが活発ですが、上昇・下落に勢いがあるものの、 結局のところ幅広いレンジの中で、+2σと-2σを行ったり来たりしているだけです。
明確な、長いトレンドが存在しているわけでもなく、混沌としています。
上か、下か、ブレイクするのはいつのことでしょう。
こうして幾度レンジを抜けられなかったとしても、でも、 いつかやってくるブレイクは、必ず±2σにタッチしてから放れていきます。
押し目や戻りといった足跡も、必ず残していきます。

 実践編-上放れのち下落か

ドル円の時間足チャートです。上昇後に三角形を象る揉み合いを演じています。いわゆるペナント型です。セオリーとしてはそれまでのトレンドを引き継いで、上方ブレイクでしょうか。そして上げすぎたところからの反落。そんなシナリオが浮かんできます。 あるいは一瞬高値を取りに行ってすぐさま力尽きることにより、それなりの上髭を遺して相場を終えるか。想定できるパターンはそれほど多くありませんので、頭の中のシナリオと現実を比較しながら、じっくりと実地研究できる、よい材料となりそうです。

実践編-+1σ~+2σゾーンに突入

ユーロ円の日足チャートに、ボリンジャーバンドをのせています。直近の値動きによって、緩やかながら移動平均線が上向き始め、かつ、値は既に+1σラインを超えて+1σと+2σの間に位置しています。このレンジの中を縫うようにして上昇していくのが、もっとも一般的な上昇トレンドとなります。
8月の高値(138円台)がレジスタンスラインとして機能しそうですので、まずはそこを抜けることができるかどうかが重要となってくるでしょう。

実践編-急劇な移動平均線割れ

下はドル円の時間足チャートです。順調に上昇していたドル円相場ですが、週が明けて急劇に下落し、移動平均線をあっさりと割り込みました。
-2σ到達でそこからは反発気味に推移しているものの、移動平均線の向きが下向きになろうかというほどに、時間をかけての下落であることも見逃せません。ここから急反発が待っているのか、小さな戻りを演じながらジワジワと下げて行くのかは、このあと数時間の動きにかかっています。
-1σ、移動平均線といったレジスタンスライン近辺での動きに注意が必要です。

実践編-新たなレンジの形成へ

豪ドル円の週足チャートをご覧いただいています。これまでの相場の流れを逸脱して、新たなカーブを描き始めています。
すべては他国に先んじての豪利上げが作り上げている相場です。
ファンダメンタルが触診で、テクニカルがカルテ、と比喩を使って両者の分析が必要だと説いたのは、ある有名なトレーダーですが、両者を組み合わせて考えたときに、ここからの新たな上昇トレンドが、短期的なもので終わるのか、中長期的な流れとして継続し得るのかが、おおよそ見えてきます。
金利以上に正当な投資根拠は、なかなか存在しません。

いずれにせよ、+1σを割れない限り、+2σを逸脱して急上昇しない限り、トレンドは続きます。
それがテクニカル分析です。

実践編-反落の予兆

ドル円の時間足チャートをご覧いただいています。少し手前の青く印をつけたあたりが、上値の重さや相場の迷いを示しています。
同値付近でのもたつきが長く、ボリンジャーバンドも収縮気味でした。
移動平均線が下を向きかかっていて、いつ反落してもおかしくないような、そんな予感に溢れるチャートでした。
現状は、大きく下落しているとはいえ、あまりに逸脱した(-2σを大きく割り込んだ)水準にあるわけでもなく、下髭が数本確認されるので、そろそろ常識的な範囲内で、ゆっくりと、おとなしく反発してくることが予想されます。
この反落がどこまで続くかは、日足をチェックしたほうがよいかもしれません。

実践編-移動平均線から離れる動き

ドル円の日足チャートです。+2σからの反落は+1σで止まることなく移動平均線に向かって落ちてきました。
ちょうどタッチしたかどうかというあたりで、止まりかけているような状態です
。しかし時間足での移動平均線は急降下中ですので、まだまだ予断を許しません。
日足ベースで、ここで耐えることなく、-2σまで真っ逆さまに落ちて行き、そしてまた+2σへ反騰するような、レンジを行ったり来たりする相場に変わる可能性もあります。
移動平均線から離れる動き、上昇にせよ、下落にせよ、その動きを捉えることが重要です。

実践編-移動平均線から離れる動き2

ドル円は、昨日の解説通り、移動平均線から離れる動きを示しました。
わずかながら上向いていた移動平均線の向きに従って、上方へ反発しています。

この動きによって、週足チャートも陰線ながら-1σラインを上抜いて終わる可能性が高まってきました。
このままですと下髭が出ているので、上昇を予感させるチャートになっています。土曜日朝の週足確定が待たれます。

押し目か、戻りか。

ドル円の週足ボリンジャーバンドです。結局相場は移動平均線にはね返されるようにして反落し、再びー1σ~-2σのレンジに入り込んでいます。ひとまず下落トレンド継続ではあるものの、直近安値を下回らない限り、その継続にはまだ疑問が残ります。こうした押し目とも、戻りとも、どちらとも判断つかないような場面で、投資を急ぐ必要はあまりないといえます。

 実践編-移動平均線から離れる動き3

ドル円の日足ボリンジャーバンドですが、完全に中央に値が位置していて、反転上昇の途中とも、下落に向けての微妙な戻りを演じているとも、どちらとも判断しにくい場面です。
移動平均線は微かに上向いていますが、やはりその移動平均線よりも微かに値が下に位置していることから、そのわずかな材料さえも打ち消されてしまいます。
ボリンジャーバンドや移動平均線からの手がかりがほとんどありません。 ここでわざわざ判断する必要などなく、トレンドが発生するか、±2σに値が到達するまで待つのが得策のように思います。

 実践編-上髭と+1σ割れ

ユーロ円の時間足ボリンジャーバンドです。少し手前で+2σを突破する勢いの上昇があって、すぐさま収斂して、長い上髭を残しました。
この時点で反落の予兆とみることができます。その後、持ち直して上昇トレンドゾーンに居続けたものの、ついに+1σを割りこんできてしまいました。この時間に急上昇して再び+1σ超えを果たせないとすると、少なくとも移動平均線まで下落調整することが見えてきます。
急激な上昇は長く続きません。
必ず調整が入ります。今がその場面といえそうです。

 実践編-下落の入り口

ドル円の日足チャートです。-1σを割り込んできていて、その上微かに開き気味ボリンジャーバンドからも、ここから本格的な下落が始まる予感が走ります。緩やかな下落であればあるほど、徐々にスピードが増して、時間をかけながら下落するものです。
この瞬間に-2σ割れを起こすような下落となった場合は、意外と簡単に反発して、+2σ目指した上昇に転じることもよくあります。 下落のきっかけには理由が必要ですが、下落し続けるには、マーケットに負の心理が植え付けられていなければなりません。
あるいは余程のショックに見舞われるかの、どちらかです。
渦を巻くようなマイナス思考は、時間をかけてじわじわと下がる相場が築き上げます。ここ数日の動きに注目しておきたいところです。

実践編-順張りと逆張り

ドル円の日足チャートですが、ボリンジャーバンドの-2σラインにタッチしてからわずかに反発しています。
定石では逆張りで「買い」となります。 順張りで考えるとすると、大きな流れは下落基調ながらも、ここにきて移動平均線が上向き始めたこともあって、判断を難しくしています。
前回安値までまだ2円幅あるので、-1σ~-2σゾーンにとどまるか、さらには前回安値を更新するまでは、下落トレンドの確信を持ちにくいところです。

実践編-ローソク足の確定を待つ必要

ドル円の時間足です。ボリンジャーバンドの+2σを突き抜ける上昇をみせた相場は、緩やかに+2σの内側に入り込み、そのまま+1σ割れを起こしています。
このローソク足がどう確定するかによって見方方が変わりますが、陰線で終わるようであれば、移動平均線までの下落が予想されます。
逆に反騰して陽線をつけるようであれば、そのまま再び高値を負いに行く可能性もあり、足が確定するまで、あるいはその次の足を見るまで静観する忍耐が求められます。値としては移動平均線にも近く、中途半端な位置にありますので、焦って判断する必要はないところと言えます。

実践編-ドル円の下落トレンド入り近づく

下はドル円の日足チャートですが、前回の安値にトライするかのようにジワジワと下落してきています。
まだ1円近く値幅がありますが、-1~-2σゾーンに滞在する限り、この下落基調は緩やかにでも進行します。壁を抜ければまた次の目標値が見えてきます。

 実践編-トレンド発生のタイミング

下はドル円の日足ボリンジャーバンドです。緩やかではありますが、下落トレンドを示しています。日足での下落トレンド確定は、ある2つのルールに基づいて判定します。その上で、より高いところを狙って仕掛けていく、またその仕掛け方も一度にではなく何度かに分けてピラミッディングを行っていく、そうした手法の繰り返しが、確率の高い投資となっていきます。

日足でのトレンド確定を知ることは、大相場を手中にするためにもたいへん重要な手掛かりです。
大局的になりすぎず、近視眼的にもなりすぎない、相場の単位が必要です。

 実践編-長期トレンド分析

ドル円の月足チャートです。24ヶ月ボリンジャーバンドが機能している様子が伝わってきます。
移動平均線は完全に下を向き、前回安値とのダブルボトムを期待しようにも、あまりに開いたバンドと下向きの移動平均線が、その可能性を否定するかのようです。意識すべきは歴史的安値である80円割れなのかもしれません。

 実践編-ボリンジャーバンドとローソク足

ドル円の週足チャートです。あと20時間ほどで確定する足ですが、このまま大きな陰線で終わるのであれば、下落トレンドは継続します。
介入などによって大きく反発して、同じ陰線でも長大な下髭が出現するようであれば、それはまた別のシナリオが見え隠れするチャートとなります。

ボリンジャーバンドは、値がどこに位置しているか、その連続性を含めた形容・態様からトレンドについて推し量るツールですが、考案者ボリンジャーによれば、ローソク足の形や、グランビルの法則などと組み合わせて考えることで、その予測精度は高まっていくといいます。
この場面で登場する陰線の形に、来週以降の動きをなんらか示唆するものがあるので、今日のドル円の動き、そして週足が確定した際の形は、注意深く見守る必要があります。

 実践編-下髭での-2σ突破

先週分の週足が確定したドル円チャートです。前回記事の時点では大きな陰線だったのですが、最終的には下髭、つまりは週末にかけて反発して終わり、ちょうど-2σラインに戻る反発をみせました。
こうなると-1σ、移動平均線、+2σなど、上値抵抗線までの反騰がシナリオに登場します。移動平均線が下落トレンドにある限り、流れに変わりはありませんが、その流れの中でのブレに注意が必要です。あるいは勢いあまってトレンドが反転することもあり得ます。
順張り、逆張り、いずれの戦略にも使えるボリンジャーバンドは、-2σラインでの判断が、チャンスであり、リスクもあるポイントといえます。

実践編-狭いレンジでの-2σゾーン入り

ユーロ円の週足ボリンジャーバンドです。ここのところの為替の大騒動が嘘のように、単なるレンジの下限をちょっと突き抜けただけの、おとなしい相場にみえます。この130円-140円どころをレンジとする以前は、120円を中心とした動きであったことすら、そうだったかと言われてはじめて思い出すくらいに、今の退屈なレンジが長く続いています。

ドバイショックをきっかけとしてか、ここでレンジを下抜いてトレンドが発生するかどうかですが、-2σ突破も一瞬の下髭となって「トライ」の跡を残したのみとなりました。反発、そして再トライ、そこで割り込めばトレンド発生、といった未来予想もできなくはありませんが、ここはあくまで、-1σ~-2σの間を推移し続けるような動きとなって、やがてトレンドが作られていくのかどうかを注視しておく以外にありません。

実践編--1σ越え

ドル円の日足チャートです。ボリンジャーバンドの-1σを上抜いてきていますので、足がまだ確定していませんが、上昇の勢いを持つかもしれませんので、警戒が必要です。売りポジションを整理すべき場面となってきました。移動平均線の傾きもだいぶゆるやかになってきています。
介入の大きさ次第では移動平均線越えもあり得ると考えておいても、損はありません。

実践編--1σラインの上か下か

ドル円の21週ボリンジャーバンドです。先週、-1σライン突破、そして今週は-1σラインを割り込みそうな状況にあります。
上昇後の押し目だと考えれば、この水準はまだ許容できそうにありますが、攻防が-1σライン近辺にあるため、焦点はその-1σラインの上で終わるか、下で終わるかにかかってきます。
上で終われば今後の上昇確率が高まりますし、下で終われば、当然下落トレンド継続の確率が高まります。もう一度、下値を探りにいく展開に戻ってしまいそうです。-1σラインの上で終わるようであれば、ローソク足も長い下髭を伴うことになりますので、ますます上昇機運を感じさせる展開となります。

実践編-+1σラインを超えてからの押し目

ドル円の日足ボリンジャーバンドです。「→」で描いたような+2σへの到達と、+1σまでの押し目を迎えることができれば、上昇トレンドへの道としては、かなり理想的な入り方となります。
上昇トレンド発生のためには、まずは、-2σを突き抜けたポイントからの急反騰を飲み込む押し目の出現が必要です。ここ数日の動きがとても重要になります。



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