新NISAは、税金の心配なく投資ができる「夢のような制度」。
ドル・コスト平均法によって平均購入単価を抑えることによって、価格変動リスクを緩和することができます。
じっくりと資産を育てることができますが、もちろん予測不能な市場の変動リスクも伴います。
新NISAは株価や投資信託の価値の長期的な上昇が前提。
経済の変動、政治的な不安定さ、あるいは突発的な市場のショックなどにより、利益がガクンと下落する可能性もあります。
元本の保証もないため、市場の暴落や社会影響によって損失が発生する可能性があります。
さらに、長期投資が大前提とされているので、大きな投資効果をすぐに出すことは不可能です。
長年にわたって運用運用益が非課税になる点や、価格変動リスクを緩和することができる点などのメリットがありますが、元本割れの可能性、利益を出すためには長期運用が必須といったデメリットも存在します。
これらが新NSIAの大きな落とし穴です。
ここで、日経平均先物取引の出番です。
日経平均先物は、日本の株式市場の動向を反映した指標であり、市場全体のトレンドや、経済の全体的な変化に基づいて戦略を立てることで、市場の下落時のリスクを効果的にヘッジ(リスク回避)することが可能です。
市場が下落傾向にあるとすると、日経平均先物を売り建てることで、NISAポートフォリオの潜在的な損失をヘッジできます。
簡単に言うと、NISAを「長期的な上昇」に賭けている状態とすれば、先物の売り建ては「市場の下落」に賭けている状態です。
もちろん先物の買い建ても可能なので、市場が上昇する際には先物を買い、市場が下落する際には売ることでどちらの動きにも迅速に対応することができます。
先物市場の特徴である「市場流動性」の高さを最大限に活かし、市場の動きに合わせた先物取引を行うことで、理想的な資産形成を達成することができます。
短期的な市場の動きを利用して利益を出す機会があるのが先物市場。
これにより、長期的なNISA投資とは異なる角度から市場を捉え、短期的な利益を目指すことも可能になります。
ここでいう先物取引の役割は、「市場の下落傾向による利益の減少」というリスクを、短期的に利益に変えることができる先物取引でカバーすることにあります。
つまり、「長期的にNISA投資を行い、利益を積み重ねながら、短期的下落は先物取引で損失をカバーする」
これが二刀流の最強タッグで資産を飛躍させる秘策です。
(あおぞら投信かんたん積み立てシミュレーションから筆者作成)
これは、もし実際に2006年2月から2021年2月まで、毎月1万円で15年間NISA投資を行っていた場合のチャートとです。
2008年のリーマンショックのときは、積立元本を割って損失が出ている。
2013年のはじめには、市場が徐々に回復し、利益が着々と出始めている。2020年2月のコロナショックのときには、利益が少し減少したが、すぐに右肩上がりに戻り、2021年2月までに利益が大幅に上昇した。
リーマンショックやコロナショックがあった中でも、長期的にNISA投資を行った際には、177万円ほど利益が出たという結果が出ました。
大きな市場の下落を二回も経験した15年でも、積立元本のほぼ倍の利益が得られたという計算になりました。
リーマンショックやコロナショック時の市場の下落傾向のときに、先物の売り立てを行っていたら...下落時の盾を超えた武器になっていたのは明らかです。
NISAによる長期的な資産形成と、日経平均先物取引によるリスクヘッジの組み合わせは、市場の不確実性に対応しながら、資産を効果的に増やすための理想的な戦略です。
日経平均先物の柔軟性と市場全体への対応能力を利用することで、投資家はより堅固なポートフォリオを構築し、市場の変動に対しても安定した成果を目指すことができます。