相場格言集【マ行】(東京総合研究所・大山充監)

 

 

ーマ行ー 

【マ】

迷わば休むべし、相場は常にあり、決すれば進むべし機は瞬間に去る

株に限らず心に迷いがありながら、中途半端に行動を起こすと失敗するケースは少なくありません。迷うこと事態は悪くはないですが、迷いを引きずりながら中途半端にやるぐらいなら、最初から何もしない方がいいのです。行くと決めた時は、迷わず進むべきです。モタモタしているとチャンスはあっと言う間に過ぎ去ってしまう、ということです。

曲がり屋に向かえ

曲がり屋というのは、年中、予想をはずす人のことをいいます。この格言は「当たり屋につくな、曲がり屋に向かえ」とセットで使うことも多々あります。曲がり屋に向かえとは、相場をはずし熱くなっている人の逆をやれば儲かるということです。相場に曲がりだすと冷静さを失い、意地になるので、どんどん悪循環になって行き、その期間は当たり屋より長くなるものです。当たり屋につくより効率的であるという皮肉を込めた格言です。

マーケットでトレードする正しい方法は一つではない。自分がどんな人間なのかを知り、自分にとって心地よい投資手法を採用すればいい

書籍『マーケットの魔術師』のスティーブ・コーエンは、自分の個性に合ったトレーディング・スタイルをとることが極めて重要だといっています。他人が儲けているのを見ると、その方法が正しいのではないかと思ってしまうものですが、なにが儲かるかではなく、自分が何に向いているかを見極めることが一番大切だということです。

まだ早いが遅くなる

相場は常に動いています。チャンスと思った時に行動をしなければ、せっかくの仕掛けや仕切りのタイミングを見失いかねないということです。

負ける人は、なんとか負け金を払える余裕があるから負けるのである

「雀聖」と呼ばれた阿佐田哲也の一節。負ける余裕がないカネを相場や博打に使うのは、これは全くもって論外です。しかし、余裕が有り過ぎる状態でも人は緊張感をなくし、勝負勘が鈍くなります。ウォール街の格言にも『人間の一生に投機をしてはならない時が二度ある、投機をする余裕のない時と余裕のある時がそれだ』とあります。

まだはもうなり、もうはまだなり

もう底だと思えるようなときは、まだ下値があるのではないかと一応考えてみなさい、反対に、まだ下がるのではないかと思うときは、もうこのへんが底かもしれないと反省してみなさい、ということです。「もう」いいだろう、「まだ」だろうと思った時、とくに自信を持ってそう思ったときが一番危険です。そう思ったときには一呼吸おいて、もう一度冷静に相場を見つめることが大切ですね。

【ミ】

三日待つべし

日々動きを眺めていた相場に売買のチャンスが到来したら、心がはやるのは当然です。しかし、こんな時でも三日待って相場の動きをさらに観察すべきだという意味です。焦って売買を行うのではなく、一度冷静になることが大切だということですね。

見切り千両、損切り万両

相場をやる上で、損失は絶対避けられない必要経費のようなものです。損失の大小には投資家の力量も問われますが、損を食い止めるには、損失が出たらいつまでも執着せずに、潔く損切りすることが最も重要なことです。

自らを知らざれば株式投資は高くつく

市場には、瞬発力で勝負する人、忍耐力で勝負する人などさまざまで、どちらのタイプでも成功者は沢山います。人間と言うのは面白いもので、自分が持っていないものに憧れる性質があります。ただ、成功した憧れの投資家の真似をしても、自分とは環境も、性格も、資金力も、年齢もすべて違うのですから上手くいくはずがありません。 企業を分析するより、自分自身を分析することの方がある意味難しいかもしれませんが、まずは自分を知ることが大切です。

「マーケットでトレードする正しい方法は一つではない。自分がどんな人間なのかを知り、自分にとって心地よい投資手法を採用すればいい」と似たような格言ですね。

【ム】

虫の好かぬ株は買うな

自分が理解できない会社や親近感を感じない会社など、自分が気に入らないと思う会社の株をあえて購入するようなことはするな、と言う意味です。自分が好きな会社については自然と情報を集められるものですが、自分の好きでない会社は自分に接点がないということであり、そういう事業の変動について知ることは難しいため、そういう企業の株式を購入すると損失をする可能性が高いということです。

麦わら帽子は冬に買え

麦わら帽子のような、季節によって大きく売り上げや業績が変動するシーズンストック(季節株)をオフシーズンに購入しておきオンシーズンに売却する、いわゆる季節株戦略の有効性を説いています。冬に麦わら帽子を買う人は少なく比較的低価格で手に入るのと同じように、株式も投資家から注目されてない時期には比較的安値で買え、注目度が高まると株価も上がるので利益を得やすいのです。季節株に限らず、有望株を見つけて先回りして購入しておくことは、株式投資の鉄則のひとつです。

【メ】

名人は相場の怖さを知る

いろいろな局面をくぐり抜けてきた投資家は相場の怖さを知っています。相場の怖さとは、いままで連戦連勝の猛者であっても、たった一回のミスで、全てを失う(金も人生も)ことを言っているのです。相場で成功する人は、は相場の怖さを知っているから、過剰売買を戒め、リスク管理(損切り)を徹底し、相場に対して謙虚になれるのです。

目出たくも春を迎えむ心なら、引かれ玉に餅を食わすな

「引かれ玉」とは、含み損の事を指し、含み損を抱えたままで年越しをするなと言う意味です。損失が出ている場合は、年内中に潔く見切りをつけてしまい、新たな気持ちで新年を迎え、心機一転、チャンス到来に備えましょう。

目先戦は大怪我のもと

目先相場での仕掛けは禁物。多勢の方向に従って売買の肩張りに仕掛けるべきです。見込み通りに上昇したら欲を出さずに利食いし、見込みが外れたら見切りするなど、相場の動きをじっくり観察することが大事です。

【モ】

戻り待ちに戻りなし

「押し目待ちに押し目なし」と逆の状況ですが、言わんとしている意味は同じです。一般的に株価が大きく上昇するときは、新規の参加者も増え、出来高も大きくなります。上昇が続くうちは問題ありませんが、それが下落トレンドに変わると、高値で買った投資家は全員含み損を抱えます。そして、押し目と勘違いした人達が次々に買いを入れてきますが、今度は下落トレンドなので、この人達も直ぐに含み損を抱えることになります。あとはこの繰り返しで、上はシコリだらけとなり、まさに戻り待ちに戻りなしの展開になってゆくのです。

文殊でも備えの立たぬ商いは、高下の変あれば破るる

学問成就の仏様と言われる知恵深い文殊善薩でも思惑がはずれることもあるので、どんなベテラン投資家でも常に不測の事態に備え、資金的にも、精神的にも、準備をしておけということです。

保ち合いのとき、慰みに商い仕掛まじきこと

本間宗久の「相場三昧伝」の「相場保ち合いの時うっかり慰みに商い仕掛くることあり、はなはだ宜しからず、慎むべきなり」に由来する格言です。相場が保合いの時、暇にまかせて、買いや空売りを仕掛けてしまうと、突然保合い放れが起き、泥沼の長期戦になりかねないので、機会を忍耐強く待つことの大切さを説いています。