Archive For 2016-06-23

移動平均線③ 実践編2

実践編-明確な判断基準

実践編-シンプルに判断する

実践編-押し目待ち

実践編-ゴールデンクロス後も押し目

 

実践編-明確な判断基準

豪ドル円の週足チャートです。ボリンジャーバンドで見ても上昇基調にどこか疲弊感が伝わってきますが、フィボナッチ・リトレースメントをあててみると、半値戻しを達成して、そこではね返されようとしていることがわかります。ここで移動平均線を明確に割り込んでくるか、あるいはもう一度高値を試しにくるか、動意づくまであと少しのところまできているように思います。

 

しかし結局、相場からの曖昧なメッセージを決するのは、移動平均線の傾きです。

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実践編-シンプルに判断する

下のチャートはドル円の日足ですが、描画しているのは21日移動平均線のみです。

日々のローソク足を消すとトレンドだけが浮き上がって、余計な情報に惑わされることなく、

相場は今、上向きなのか下向きなのか、それとも迷っているのかが、

手に取るように分かります。

 

 

一直線に、真っ逆さまに落ちています。反転の兆しはまだ見えませんが、

前回安値(移動平均線での安値)がそろそろ近づいてきました。

テクニカル分析でもっとも大切と考えられるこの指標を、

しっかりと意識するためにも、こうした作業が時に重要です。

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実践編-押し目待ち

ドル円の日足チャートです。移動平均線が下向きから横ばいへと移り変わっているところです。直近の値動きが移動平均線を上向かせつつあるわけですが、このまま+1σラインを突破して上昇するようであれば、移動平均線も上向いてくることになります。仕掛けどころとしては、移動平均線が上向いて、かつ値が移動平均線近辺にあるところですから、このまま相場が上昇した後に押し目を迎えた場合に、格好の仕掛けどころがやってくる、とのシナリオが描けます。

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ちなみにドル円の時間足を見てみると、こちらは移動平均線が上向きから横ばいに変わろうかというシーンです。しかし、まだ微かに上向きの移動平均線が確認できる上に、移動平均線割れを起こしていません。先ほどの日足チャートと組み合わせて考えると、+2σを目指す相場が、もっとも素直に予想した展開ということになりそうです。

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実践編-ゴールデンクロス後の押し目

下のチャートは、ドル円の日足に2本の移動平均線を描いています。ご覧の通り、赤いラインの移動平均線は短期間、緑のラインは中期間のものになります。中期のラインはまだ下向いているものの値が上抜けて短期線とのゴールデンクロスも果たしています。さらには値がいったん落ち込んで、移動平均線までの下落ののちに、ふたたび反転していることから、このまま上昇トレンドを築いて行くかもしれないとの期待が高まります。

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移動平均線と、そのクロスによる分析は非常にポピュラーなものですが、これを本気で投資判断ツールとして活用されている方は、どれくらいいらっしゃるでしょう。移動平均線による分析の難しさは、パラメータの設定と、利食いや逃げ場のポイントにあります。しかも、どの時代でもどの市場でも通じる、夢のパラメータなど存在しないのが実情です。シンプルでわかりやすく、教科書の最初に出てくる分析手法でさえも、巧みに使いこなすためには、相当な相場経験と観察力が要求されます。