移動平均線①-2 移動平均線の参照期間

移動平均線といっても、分足、時間足、日足、週足、月足、それぞれで
いったいどれくらいの参照期間で設定・分析するのがよいのか、
テクニカル分析に馴染みのない方からは、それに関する質問が多く寄せられます。

 

結論から述べますと、区切りのいい数字を用います。

 

1年は52週間です。その1/2である半年は26週間です。
さらにその半分は13週間で、1ヵ月は5週間です。
以前は土曜日も取引が行われていましたが、現在は相場が動く平日といえば週に5日です。
1週間は5日で、1ヵ月は25日、3ヵ月は75日です。
また、グランビルがアメリカの相場を研究していた当時、200日線が相場の波と
うまい具合に合致していたことから、今も、200日(8ヵ月)が長期線としてよく使われます。
そして、1日は24時間ですし、1/2は12時間、1/3なら8時間です。
分足ならば同様に、60分、30分、10分、5分といった数値を使います。

 

長々と要領を得ない説明をしましたが、ほぼイメージはつかめたのではないかと思います。
特に多くの投資家が、つまりは多くのシステムが採用している数値は、
多くの投資家にチェックされているというだけで重要な意味を持ちます。
日足でいう25日、75日、200日、週足でいう13週、26週などは特によく使われます。

 

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※いくつものフィボナッチ数を使った移動平均線を同時に描画 (チャート提供:GCハロー)

 

 

数字に関してはもうひとつ書き添えておきたいことがあります。

テクニカル分析というものは、世に溢れる情報、企業業績やGDP、さまざまなファンダメンタルズ、 政治、軍事、あらゆるニュースと投資家の思惑を踏まえて形成される価格の値動きを分析します。 当たらない相場予測に基づいた取引さえも値動きに内包され、テクニカルに分析されます。

経済は人間の営みであるとはいえ、広い意味ではそれもまた自然現象です。

自然現象である以上、見える見えないに関わらず、不思議なルールに縛られることも多いものです。

 

数字で言えば、フィボナッチ数です。

イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチにちなんで名付けられたもので、

どの項もその前の2つの項の和となる数列のことです。

 

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, …

 

これらは隣あう数字の比率が限りなく1:1.618に近づいていく数列であり、

つまりは黄金比(黄金分割)となっているのです。

 

ひまわりの種の数であるとか、葉っぱのつき方であるとか、ミツバチの家系であるとか、

音階の数であるとか、銀河の渦であるとか、自然界のさまざまものに不思議と絡んでくる数字です。

いかにもオカルトな、神秘的な話ではありますが、否定しようにも黄金分割は自然界のいたるところに

存在しますし、われわれが住む世界は、その数値を利用した人工物に意外と溢れかえっているものです。

 

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, …

 

1週間を示す5日、3ヵ月を示す13週、はそれ自体にわかりやすい意味がありますが、

 

そうした理由から、それ以外のフィボナッチ数をテクニカル分析で利用することも多く、 その数値にこだわった分析手法も存在します。