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連載 勝率はどこまで上がるか?
トレードシステムや、優秀なファンドは勝率をどこまで上げることが できるのか? についての 面白い考察
私はかねがね、トレードで勝率を80%にあげることなど無理だ、 というお話をしてきました。
現実を見れば分かりますし、スパートレーダーの誰かを知っていれば、また、スパートレーダー誰かの本を読んでみれば、
そんな数値はでて きません。
勝率よりもっと別の部分での、戦略や、心理的な、事象が、結局は パフォーマンスに影響していると言っているでしょう。
それでもまだそのようなシステムがあり得ると期待してスタートしたカブロボ(良く例に出させて頂いています)が、
非常に解説しやすいので 例に出しますが、このコンテストは、過去10年間で最もいいパフォーマンスを 出すシステムを募集して、
それらの優位性を審査員が審判して、 さらに上位10プログラムで実際に運用しているイベントです。
その結果がこうです。

運用しだしたとたんにマイナス。
でそればかりでなく

あれだけ圧倒的にTOPIXを上回っていたのに、(TOPIXがマイナスの時でも) 今度はマイナスのTOPIXより、
さらに下がってしまいました。
ただのカーブフィッティングが意味のないもので、さらに過去は未来を 語らないとお話ししてきましたが、これが実例です。
アメリカのサイトなどを覗くと、優秀なプログラムが売っています。
過去何年で驚異的に、小さなドローダウンで、勝つことのできる プログラムを宣伝しています。
しかし、これは過去です。
さて、本題はここからです。
なぜ、驚異的なパフォーマンスが望みえないかを、論理的に解説します。
これまた、今日優勝した巨人にちなんで、また野球の例を出しましょう。
以前レポートでも特集した一部分に、あの強かったV9の巨人軍でさえ、 勝率はこんなものです。

6割すら超えられないのです。
なぜ野球をだしたかといえば、これが、集合体で戦うスポーツで、 その勝敗を左右するものが沢山でてきて、
それも偶然に支配される ものが多く、そのような意味で、相場と同じである、と説明したかったのです。
カブロボの勝率から野球の勝率に飛躍しているようですが、 なぜ、80%の勝率がだせないかの、
本当に深い理由はここにあります。
これは、MLBです。

強くて59%、弱くて40%です。 圧倒的には勝負では、勝てないのです。
それは、いつも言っているように、相手がいるからです。
相場に相手がいる限り、高い勝率はあり得ません。
さて、一つだけ反論しましょう。
これは、アメリカのバスケットボールの勝率表です。

同じくらい多くの試合をこなした、集合体の戦いで、同じ偶然の事象が 現れるのに、
なぜ下位0.268 から上位0.817 勝率8割までの差がでて しまうのでしょう。
勝率8割は相場でも可能なのでしょうか。
システムが9割勝てるのは、限られた期間であり、それならば可能、
だから、この事例も偶然短い期間で、観測される勝率だからでしょうか。?
いな、違います。
ヒントは失速した終盤の阪神タイガースにあります。
勝率はどこまで上がるか? 2
相場は集合体の中での戦いであり、それ故に、スポーツで言えば、野球と同じ。
野球のチームの勝率が強いチームでも6割を超えないように、相場でも常勝するのは 無理、というお話しをしました。
しかし一方、バスケットボールの試合では 同じ集合体の戦いで、下位から上位までの差が大きく出て、勝率8割のチームもいます。
システムでも勝率8割は可能なのでしょうか?
それともそれは、短期間だけに限定される事象なのでしょうか?
このバスケットの勝率から何がわかるか、 ヒントは失速した終盤の阪神タイガースにあるとしました。
これが前回までの話です。
さて、ではなぜ、阪神タイガースは終盤8連敗となったのでしょう。
それは、相手が、阪神に追いつきたい横浜と、休養十分のエースを当ててきたヤクルトだったからです。
これは、相手が変わることを意味します。 野球はピッチャーで決まります。
その勝敗の多くの部分を占めるピッチャーが変わるスポーツです。
しかし、バスケットはいつも同じメンバーです。 だから差がでるのです。
しかし野球は、上位に行けば、狙われます。 下位で弱いチームには、エースを当てません。
その意味で下位チームのバッターは有利です。
さてこれで、バスケットなどの相手が変わらない勝負と、野球のように多く事象が入り交じり 相手のレベルが変わっていく勝負の、
勝率になぜ大きな差がでてくるのかがわかりました。
相手が戦法を変える勝負での常勝はないのです。
よって同じトレードシステムで8割を超えることはありません。
台風の動きを8割の精度で当てるための数式と、相場の動きを8割の精度で当てるのでは 意味がもともと違うのです。
そして、だからこそ、システム開発者はいつも、非効率的な、残された聖杯を狙うのです。
たとえば、バックテストで、勝率8割のトレードを作ってみましょう。
それがその後、どうなるか、の検証です。
勝率はどこまで上がるか? 3
たとえば、バックテストで、勝率8割のトレードを作ってみましょう。
それがその後、どうなるか、の検証です。 対象はNYダウの日足 期間は2006-01-01から一年です。
システムは、単純にMACDとします。 ロスカットなし、MACDの短期線が長期戦を上回って買い、 下回って売りとします。
MACDですので、下がれば、自動的に売りとなりますんので 特別なロスカットのポイントも入らないでしょう。
さて、結果です。勝率93%以上の組み合わせが出てきました。

利益 1590ドル
回数 15回
ドローダウン 62ドル
勝率はなんと 93.33%
驚くことはありません。当たり前です。 過去に合わせたのですから。
ではこのシステムを今年に当てはめたらどうなるでしょう。
出来る方はやってみてください。
MACD 13 8 13 の組み合わせです。
勝率はどこまで上がるか? 4
さて前回の、非常に優秀な、勝率93%を誇るシステムを、現在の当てはめたらどうなるでしょう?
確かに行き過ぎたカーブフィッティングは、その成果をそのまま将来に約束するものではありませんが、一時的とはいえ、
優秀だったシステムが、非常に悪いシステムに転じる必然性もありません。
では、2006年度最優秀の組み合わせは2007年度、どういう結果をもたらせたでしょう。

利益 -479ドル
回数 35回
ドローダウン 152ドル
勝率 68.57%
現実とは厳しいものです。 では、もっと長期にこのシステムを見てみましょう。
つづく・・・・