テクニカル分析と相場のこころ

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デリバティブによる資産運用の話

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連載 不都合な真実と いまそこにある危機

ごく限られた人間が、ごく限られた目的を持ち、そこに強大な権力を 与えれば、
おのずと「不都合な真実」と対面することになる。
これは、一部の政権争いにだけ現れるのではなく、すべての人間社会に 現れている現象である。
ただ、それら「不都合な真実」が表に現れていないだけである。
「真実」は全人民のために存在する、しかし、「不都合」なものは 特定の物にだけ存在し、その大きさに比例して、物事は隠される。
誰が、年金が破綻するなどと考え、想像しただろうか。
誰が、国益のために戦争をし、
誰が、資源領域確保のために、原油価格を操作したと、考えただろうか。
彼らが守るべきものは、国家でも、国民でも、正義でもない。
ただ、単に自分とその家族を守るために、全ては行われるのだ。
人の命より大きなその使命のために、多くの、大きな、「真実」は 隠されてきた。
だが、真実は死なない。
それは、温暖化と同じように、隠しても表に出てくる。
彼らは、隠しきれなくなる前に辞めるか、何かの、たとえば、景気のせいに して、事から逃げる。
そう、そうして、それから我々のもとに真実はやって来るのだ。

NYダウはこの7月の大きな高値を取った。
これがその前週までの動きである。



ここから、どのようにして、真実を見つけよう。
投資家が知っているのは、ほんの一握りの教訓

「暴落の前は、最強の天井が示される」

だけである。 そして、こんなマイナーな教訓には、誰も耳を貸さない。
機関投資家から大量に入るINDEX買い、投信、年金、外人の買い、 すべてが、知っている悪材料を飲み込む。
隠しきれなかった「不都合な真実」が顔をだしていたとしても、新たな カモフラージュが市場を覆っているのだ。
それは、なお、真実を隠そうとする、企てに過ぎない。

今回、我が日本はいざなぎ景気を超え、戦後最長の景気を継続している。
そう、だれも好景気と考えていない、この5年間を、好景気とするために 真実は隠されたのだ。
1989年からバブル崩壊、デフレ進行を食い止めるために、日銀は相当数の 劇薬を投与した。
金利を人類史上最低に据え置き、国債を乱発し、それら金利のない債券を 国民にあてがった。

金利0%が意味するものは、全ての投資が成り立たない、ことを意味し、 その時点で年金は破綻した、といって良いかも知れない。
5%の金利なくして、運用が成り立つ方がおかしいのだ。
しかし、それは「不都合な真実」なのだ。

次に、それでも行われたことは、企業再生である。
豊かさは、国民にとってのものであり、企業にとってのものではない。
しかし、国民を豊かにできない以上、企業を豊かにするしかないのである。
当たり前のように企業に救いの手が述べられた。
それが今回のもう一つの真実、企業防衛策の真実である。

企業が業績を上げる方は二つしかない。
本当は二つしかないのである。
一つは、売上げを上げること。
そしてもう一つは、製造コストを下げることである。
製造コストでもっとも大きなものは、人件費である。
小企業はともかく、東証に上昇しているような企業にとって、 人件費を削ることほど簡単で、効果的な方法はない。
一瞬にして業績が回復する、まさにセロマジック。

アメリカ的といえば、それまで。
松下幸之助が泣く。
しかし、企業は、いとも簡単に、人員を削減し、相当の利益回復を果たした。
そして、これら人員削減にもっとも効果的な方法はM&Aなのである。
政府はこれらを後押し、さらに銀行には、公的資金を入れ、さらに重要な 企業には、債権放棄をみとめた。
銀行を救うことが、モラルであれは、また企業を救うことがモラルであれば、
国家のモラルとは、国民とかけ離れたところにある、と考えなければならない。

預金を救うことと、銀行を救うことは違う。
どうして1000億円単位の負債を数年で完済できよう。
こうなると、もはやイリュージョンマジック。
しかし、これらの、銀行、企業救済に、使ったマジックも、タネがあること には変わりない。

大がかりな、イリュージョンマジックのあと、TV放送が終わって、 天功は裏から出てくるのである。
それらのタネは、銀行救済時から、またその前からずっと埋め込まれている。
企業を防衛し、売上げを上げ、人を切る。
数値を上げることにだけに専念すれば、M&Aは最高に効果的なタネである。
人件費を節約のために、アジア市場にでかければ、そこにまた繁栄を導けるのだろう。
しかし、それらモラルを超えた、企業防衛第一主義は、国民の犠牲を、 大きなウソで隠し続けなければ、成り立たないことである。

天文学的に膨らんだ借金を、さらに加速させ、今さらながらに、消費税を上げるしかない構造は、すでにその対処に時期を逸している。
だが、問題はそんなところではなく、もう一つの大がかりな、マジックのタネが火薬となって、異常暴走し始めた、ということである。
打つ手は基本的なない。
ハードランディングが、いつ起こるか、という ことだけである。

希望はたったひとつ、地球は倒産しない、ということだけ。
だが、その前に、10年間の救済策が、超能力ではなく、単なるマジックで あり、
その見返りを受けなければならない、ことを世界は認めなければ ならない。

その最大にして、最悪の救済策は、日本だけの責任ではない。
とある国の、とあるグループの、とある利益だけを追求したツケは、
なぜか、全国民がかぶらなければならないのである。
そして、その救済策とは・・・・


その救済策とは
金利引き下げによる巨大資金の貸し出しである。
日銀は0金利の環境を作ったが、これは、優良企業、 また救済を許されている 企業にとっては、
株式市場から資金を調達するより、遙かに低いコストで お金を借りる状況を作ったことと同じである。
そしてこの金利を削ったと言うことは、同時に配当を削ったというこを 意味する。

ここでよく考えなければならないのは、配当=金利がなくして投資の リターンは成り立たないということである。

ここでの重要なポイントはこうである。
一般に受け入れられる、プロが運用する、年金をはじめとした巨大ファンドが 元本を保証できるという理屈は、
どこから来ているのだろう?
それは、プロ、専門家であるからだろうか?

プロはもちろん素人に比べて段違いに高い技術水準を持っている。
たくさんの種類のプロがいて、それぞれの分野で活躍している。
プロ野球、プロ棋士、プロ麻雀士、プロレーサー・・・どれも素人では、相手にならないレベルだが、
戦ったときは 麻雀では勝つ可能性が高く残る。
ただ、将棋などは、まったく、ほとんど勝つことは不可能である。

では、プロの運用者は、勝つのだろか?
まずここで勝つ、という定義を決めてみよう。
たとえば、経済のファンダメンタル分析が当たる、としよう。
米経済は、失速せず、2008年度は2%の成長を維持できるとS運用者は 予測したとする。
そして、事実、来年の今頃、その速報値で米国は、GDP2%を達成した とNEWSで流れたとしよう、
その時S氏のは、勝ったのだろうか?

そう勝ったのである、しかしそれは経済評論家として、である。

その一年前、彼がGDPを予測したとき、株価は、何を織り込んでいたであろう。
株価が彼を信じていれば、すでに妥当な水準にいるわけで、ここで買っても利益はない。
株価が彼を楽観的と考えていれば、株価は低く、ここで買えば、一年後に利益となる。
また、株価が彼をあまりに悲観的として見ていれば、強気のレベルで推移しているため
ここで買って一年待つと、彼の悲観は、現実と認識され、高いレベルから落ちてくる。
当然、自分の予想以上の株価を売っていれば利益となる。

さて、ここで分かることは、どんな予想を市場が織り込んでいるか、なのである。
ファンダメンタルの数値が当たったとしても、市場がどこまで織り込んでいるかは 市場でないと分からない。
悪材料は織り込み済み、と簡単に表現しても、どの程度織り込んでいたかなどは、 景気指数発表後の、
為替の乱高下を見れば、明らかである。真実がさらされて、なお、価格は上下する。
織り込んでいたのか、織り込んでいないのか、すら不透明なのである。

さて、となると、勝という定義は、別のところに設けなければならない。
それは、まさしく株価の位置を予測できた、かどうかである。
そして、この予測を行うには、さらに相場が、何を織り込んでいるか、つまりは 現状をどう読んでいるか、
を把握しなければならないのだ。

プロ野球の投手の勝率が9割9分ではなく、6割で好投手と言われるのは まさに、相手が素人でないからである。
プロの相手はプロであるからこそ、勝利は継続しないのである。
プロが優れているのは、素人に対してだけである。
プロに任せて良い運用ができるのは、市場に、プロが少数しかいなければ、の場合だけである。

もう一度よく考えて欲しい。
なぜ、運用がうまく行き、年金が安定して支給されるのであろう。
その理由が運用者がプロだからでないことは、これで明らかになろう。
では、なぜ、それでも自信ありげに、元本保証などとうたえるのだろう。

 


運用がうまく行くのは、プロがいわゆる運用上手だからではない。
市場が、プロとプロの戦いである限り、その優越は少なからず、ついて回る。

どちらかが負け、どちらかが勝つ。
技術が拮抗していれば、簡単運用を+に持っていくことは難しい。
例え、短期的にその手法に軍配があがったとしても、それが続くとは、限らない。

この世界、とくに1対1で戦う世界は別にして、集団で戦う世界の勝率は6割なら優秀なレベルなのである。

たとえば、今では見る影もない巨人軍は、昭和40年から9年間にわたり、連続日本一を記録した。
監督川上哲治 主力は言わずとも、背番号3と背番号1である。
長嶋と王の二人で、毎年3冠王を分け合い、常勝と言われた我が巨人軍の勝率はこれである。


いかに6割という数値が、非常にたくさんの事項の中で生じ得る数値の中で、際だったものである かが分かる。


さて、団塊世代の話から、戻って、現代の相場に当てはめれば、6割勝って相当優秀であれば、
そんな運用方法はごく希であり、ほとんどは、5割を前後するはずである。

なのになぜ、元本保証をそろばん勘定できるであろう。

それには、まずマジック1 長期運用を持ち出さなければならない。


戦後日経平均推移



すくなくとも、全てがごあさんになった1945年移行、日本の株価は、 右肩上がりでしかなかった。
どの10年をとっても1989年以前であれば、長期投資は、40年間以上優れた投資であったのだ。
当然に勝率は100%である。

これら100%というのは異常であるが、長期投資が有利であることには変わりない。

しかしその理由は長期であるからではないのだ。
長期運用のマジックは、ただ単に、利息を取っている、つまりは、インフレを前提として、 金利をとる仕事にしか過ぎないのである。

年金が窮地に落ちいったのも、この金利にあぐらをかいた長期投資に依存したお陰である。
もともと、それ以外の方法で常勝することはないにもかかわらず、大元である金利を 永遠に授かるものとした。
確かに授かれば、土地神話も、債券神話も何もかも崩れることはなかったのかも知れない。
しかし、そのたった一つのマジックであった、金利がもしなかったら、40年の神話も 崩れるのである。
そして今、それでも元本保証という、それは、次のマジックを生み出したからに他ならない 。・・・・



そのマジックとは
高金利通貨での債券運用と限られた株式運用である。通常の運用では、短期で金利以上のサヤを稼ぐことは難しい。
できないこともないだろうが、それは、絶対ではない。
しかし、金利という確定商品に多くの資産を分配すれば、それは見かけ上、相当に良い
運用となるものだ。そもそもは、この確定金利を本当に確定されたものに投資すれば何事もなかったのだが
バブル後は、いやその前から、確定するものに、債券を当てず、株式の配当を当てていたのだ。
配当というより、もはや、値上がり率を5%と計算していたのだ。確かに長い長い歴史を振り返れば、
金利を5%とすることは順当だったかも知れない。
よくよく考えてみれば、預けた分より増えるという仕組みは、マジックなのだが、
年金という言葉は、なにか、長期で預ければ、預金よりいいものが帰って来る気がしてならない。
5%の金利で回せば、単純に10年で1.6倍になる。
これを1.3倍にして返したところで何も文句は言われない。
さて、しかしこれらのもくろみは、あくまでもそれらの金利が存在し続けての話である。
そういう債券がごろごろしているころは別にして、株式の配当や、値上がりを過去のインフレ率と
照らし合わせて、皮算用でもしたら、大きな曲がり角が来る。
もし、景気が減速して2.5%の金利しかなければ、10年預けても1.28倍にしかならない。
もし、1.5倍で元本を保証していたら大変なことになるのだ。
いずれにしても、この金利を長期で回す以上の方法は年金運用においては、存在しない。
それが、元本確実運用の限界であり、これ以上の利回りがでるはずもない。
では、金利がすべてなのだろうか?